久代信次

久代 信次

久代 信次（くしろ しんじ）氏は、1941年（昭和16年）3月1日、東京府（現在の東京都）に生まれた日本の実業家です。特に、株式会社東京ドームにおける要職を歴任したことで知られています。現在は、同社の代表取締役会長を務めています。

初期キャリアと後楽園スタヂアム

久代氏は1965年（昭和40年）に中央大学を卒業しました。大学卒業と同時に、当時は株式会社後楽園スタヂアムという社名であった現在の株式会社東京ドームに入社しました。入社以来、同社の基幹部門である財務・経理畑で一貫してキャリアを積み重ねてきました。長年にわたり、企業の経済的な側面を支え、経営の安定に貢献する重要な役割を担ってきた人物です。

東京ドームグループでの昇進

株式会社後楽園スタヂアムは、1990年（平成2年）に株式会社東京ドームに社名変更しています。久代氏は、社名変更後も同社グループ内で着実に昇進を重ねました。1995年（平成7年）には、株式会社東京ドームの常務取締役に就任し、経営陣の一員としてより広い視野での経営判断に関わるようになりました。その後も、グループ内の主要な関連会社である後楽園不動産の社長を務めるなど、多角的な事業を展開する東京ドームグループ内において、様々な要職を歴任しました。こうした経験を通じて、企業グループ全体の運営や経営戦略に関する豊富な知識と手腕を培っていきました。さらに、東京ドーム本体においても、専務執行役員に昇格するなど、経営執行の中核を担う立場となりました。

代表取締役社長への就任

2009年（平成21年）、久代氏は株式会社東京ドームの代表取締役社長に就任しました。前任の林有厚氏の後任として、経営トップの座に就いたのです。社長在任中は、ドーム事業、不動産事業、流通事業、レジャー・サービス事業など、多岐にわたる東京ドームグループの事業全体を統括し、その成長と発展を牽引しました。長年培ってきた財務・経理の専門知識と、グループ内での様々な役職で得た幅広い経験を活かし、企業価値の向上に努めました。

広範な活動

久代氏は、東京ドームの経営に携わる傍ら、様々な分野でその経験と知識を活かしています。野球関連では、野球殿堂博物館の理事を務めており、日本の野球文化の発展と歴史の保存に貢献しています。また、母校である中央大学に関連する活動も行っており、中央大学学員会東京文京区支部の副会長を務めるなど、教育機関との連携や地域社会との繋がりも大切にしています。

さらに、意外な経歴として、2015年（平成27年）2月24日には、日本のプロボクシングを統括する組織である日本ボクシングコミッション（JBC）の第6代会長・コミッショナーに就任しました。これは、プロ野球本拠地球場という性質上、ボクシング興行とも縁のある東京ドームのトップとしての繋がり、あるいは個人のボクシング界への貢献意欲など、様々な背景が考えられます。ボクシング界の健全な運営と発展のために尽力しました。

会長職への移行と現在

2016年（平成28年）4月、久代氏は株式会社東京ドームの代表取締役社長を退任しました。その後は、代表取締役会長に就任し、経営の第一線からは一歩引いたものの、経営の要として企業全体の戦略策定や重要事項の決定に関与し続けています。長年の経験と実績を活かし、後進の指導や企業の長期的な視点での発展に向けた助言を行う役割を担っていると考えられます。現在も、株式会社東京ドームの代表取締役会長として、同社グループの経営を支えています。

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