林有厚

林 有厚

林 有厚（はやし ゆうこう、1930年1月1日 - 2017年5月17日）氏は、日本の著名な実業家です。広島県にご縁が深く、特に株式会社東京ドームにおける要職を歴任したことで知られています。

生い立ちと学歴

昭和5年（1930年）1月1日、林氏は広島市牛田の地に生を受けました。少年時代は旧制修道中学校に進み、その学舎で後の日本画家として名声を得る平山郁夫氏と同級生として学びました。中学3年生の折、広島に投下された原子爆弾により被爆するという、筆舌に尽くしがたい経験を宮島の兵器分廠での勤労作業中に遭遇しました。その後、新制修道高等学校を経て昭和23年（1948年）に高校を卒業。勉学を続け、慶應義塾大学法学部を修了しました。

実業家としての歩み

大学を卒業した昭和30年（1955年）、林氏は株式会社後楽園スタヂアム（現在の株式会社東京ドーム）に入社しました。入社後は着実に社内での階段を昇り、取締役、常務取締役、専務取締役、代表取締役副社長といった重要な役職を歴任しました。そして、平成8年（1996年）には、ついに同社の代表取締役社長に就任。東京ドームという巨大なエンターテインメント施設を擁する企業のトップとして、経営の舵取りを担いました。長きにわたり社長を務めた後、平成21年（2009年）には代表取締役会長に就き、経営の第一線から退きつつも、その豊富な経験と見識を活かして同社を支えました。

ボクシング界への貢献

林氏の活動は実業界にとどまりませんでした。ボクシングというスポーツへの造詣も深く、その振興にも力を注ぎました。平成8年（1996年）から平成27年（2015年）までの長期間にわたり、日本のプロボクシングを統括する機関である日本ボクシングコミッションのコミッショナーを務め、その運営と発展に貢献しました。さらに、平成20年（2008年）には、アジア太平洋地域のボクシング界を統括する東洋太平洋ボクシング連盟の会長にも就任し、国際的な舞台でもそのリーダーシップを発揮しました。氏のこれらの活動は、プロボクシング界の安定と発展に大きく寄与したものと言えるでしょう。

まとめ

林有厚氏は、広島での壮絶な少年時代の体験を乗り越え、実業家として株式会社東京ドームの発展に尽力しただけでなく、ボクシング界においても要職を務めるなど、多岐にわたる分野で活躍しました。昭和5年（1930年）に生まれ、平成29年（2017年）にその生涯を閉じるまで、日本の経済界、そしてスポーツ界に確かな足跡を残しました。

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