久保庭眞彰

久保庭眞彰（くぼにわ まさあき）

久保庭眞彰は、1949年生まれの日本の経済学者です。比較経済システム論、ロシア経済論、産業関連分析、計量経済学を専門としています。一橋大学名誉教授であり、ロシア科学アカデミー中央数理経済研究所の名誉博士号も保持しています。

学歴と職歴

横浜国立大学経済学部を卒業後、一橋大学大学院に進学し、修士課程と博士課程を修了しました。一橋大学経済研究所で教鞭をとり、助[[教授]]、教授と昇進しました。その間、カリフォルニア大学バークレー校やハーバード大学、ソビエト連邦科学アカデミー中央数理経済研究所など、国内外の様々な研究機関で客員研究員を務めました。一橋大学経済研究所長も務めた後、2012年に一橋大学を定年退職し、名誉教授となりました。その後も、一橋大学経済研究所特任教授やイースト・ウエスト・センター客員研究員などを歴任し、研究活動を継続しています。

研究内容と業績

久保庭眞彰の研究は、比較経済体制、特にソ連・ロシア経済に関するものが中心です。ソ連経済の研究では、宮鍋幟とともに米欧ソ経済部門でソ連経済を担当し、その分析に尽力しました。ロシア経済については、資源依存型経済の構造や成長メカニズムに着目し、詳細な分析を行っています。計量経済学の手法を用いた産業連関分析も専門としており、経済システムの構造分析や政策評価に貢献しています。これらの業績が評価され、ロシア科学アカデミーのレオンチェフ褒章を受章しています。

2007年には、トヨタ自動車からの研究委託を受け、一橋大学経済研究所内にロシア研究センターを設立しました。この研究センターは、ロシア経済に関する研究をさらに推進する拠点となっています。

学会活動

比較経済体制学会では、2011年から2013年まで代表幹事を務め、学会の発展に貢献しました。また、米国Association for Comparative Economic Studiesの理事も務めるなど、国際的な学会活動にも積極的に参加しています。

主な著書

久保庭眞彰は、数多くの著書や論文を発表しています。主な著書として、以下のものがあります。

『Quantitative economics of socialism : input-output approaches』(1989)
『現代社会主義経済分析の基礎：計画・コンピュータ・市場』（1990年）
* 『ロシア経済の成長と構造：資源依存経済の新局面』（2011年）

これらの著作は、社会主義経済やロシア経済に関する理論的・実証的な研究成果を示しており、国内外の研究者から高く評価されています。その他にも多数の共編著があり、国際的な研究プロジェクトにも積極的に参加しています。

指導した学生

多くの学生の指導にもあたり、後進の育成にも力を注いでいます。主な指導学生として、長谷部勇一（横浜国立大学学長）や大島堅一（龍谷大学教授）などがいます。

久保庭眞彰は、その研究業績と教育活動を通じて、経済学の発展に大きく貢献している経済学者です。

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