久保欣哉

久保 欣哉 (くぼ きんや)

久保欣哉（1929年10月5日 - 2008年8月5日）は、日本の法律学において商法、経済法、企業会計法の分野で著名な法学者です。彼は一橋大学から法学博士の学位を取得し、長年にわたり教育と研究に従事しました。特に「株式配当と無償交付の研究」をテーマにした学位論文が評価されました。

学歴と経歴

久保は東京都小石川に生まれ、その後東京都立第八中学校を卒業しました。1950年には東京商科大学附属商学専門部を、1954年には同大学を卒業し商学士の学位を取得しました。1959年には一橋大学大学院法学研究科の博士課程を終了し、法学博士の学位を得ました。4月からは青山学院大学法学部で専任講師として教育に携わることとなります。

1960年には同大学の助教授、1968年には教授へと昇格し、1969年には法学部長も務めました。その後1976年に青山学院大学を退職し、一橋大学法学部の教授に就任しました。1984年には法学部長を再び務め、1993年に名誉教授となった後は関東学院大学法学部教授としても活躍しました。

学術貢献と著書

久保は日本私法学会や日本経済法学会などの理事を歴任し、税務大学校の非常勤講師としても活動していました。彼の著作には『株式配当論』や『独占禁止法通論』などがあり、それぞれの領域において重要な見解を提供しています。また、多くの書籍に編集や共著として名を連ねており、商法に関する論文や書籍は後の世にも大きな影響を与えるものとなっています。

主な著書

• - 単著:

- 『株式配当論』（1960年）
- 『独占禁止法通論』（1994年）

• - 共著:

- 田中誠二との共著による『商法総則商行為法 判例体系』（1958年）
- 『例解会社法』（1962年、1975年再全訂版）
- 多国籍企業の法規制に関する書籍など、広範な法的テーマを扱った著作を残しました。

人格と後進の指導

久保は教学を通じて多くの学生を指導し、彼の教え子には一橋大学名誉教授の山部俊文、長塚真琴、一橋大学教授の平川幸彦、さらにはシュテファン・ヘルツベルク元駐日ドイツ大使館首席公使などがいます。彼の教育理念は、学生に対して自由な思考を促すもので、その影響は広く及びました。

生涯と功績

久保欣哉は多くの重要な業績を残し続け、2008年に78歳で亡くなるまで法学界における多大な貢献を続けました。彼の理論や著作は、今もなお法学の発展に寄与しており、後進たちの指導者としての姿勢も傾聴されています。法律学における彼の影響は非常に大きく、日本の法学界の発展に寄与した偉大な学者として、後世にその功績が語り継がれています。

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