駐日ドイツ大使館

駐日ドイツ大使館

駐日ドイツ大使館は、ドイツ連邦共和国が日本に設置している大使館です。東京都港区南麻布に位置し、大使館と総領事館が同一敷地内に設置されています。2024年10月28日より、ペトラ・シグムンドが特命全権大使を務めています。

概要

大使館は、北海道・東北地方、関東甲信越・静岡県を管轄しています。西日本地域は、大阪・神戸総領事館が管轄しています。大使館では、小中学生を対象とした絵画コンテストや修学旅行生の訪問受け入れなど、様々な活動を通じて日本との交流を深めています。

歴史

設立

1863年1月、横浜市に公使館として開設されました。1865年には現在の港区高輪に移転。1897年には、ジョサイア・コンドルの設計により千代田区に移転し、現在の国立国会図書館東京本館の位置にありました。

両大戦間

第一次世界大戦時には、日独開戦により国交が断絶し閉鎖されましたが、ドイツの敗戦後まもなく再開されました。1933年にナチ党が政権を獲得すると、ヨアヒム・フォン・リッベントロップ外相は日本との連携を重視し、1936年には日独防共協定、1940年には日独伊三国同盟を締結し、関係を深めました。ヘルベルト・フォン・ディルクセンやオイゲン・オットが駐日大使を務めました。

オット大使は、「フランクフルター・ツァイトゥング」の特派員であり、ナチ党員のリヒャルト・ゾルゲを顧問としていましたが、1941年10月にゾルゲ事件でゾルゲが逮捕された後、1942年11月に大使を解任されました。

再度の閉鎖

太平洋戦争勃発後、1944年夏に連合軍の空襲を避けるため、大使館の一部は箱根町宮ノ下の富士屋ホテル、河口湖畔の富士ビューホテル、世田谷区成城に疎開しました。1945年4月30日のアドルフ・ヒトラーの自殺を知った大使館員は、追悼式を行いましたが、日本政府の反応は冷淡でした。

1945年5月9日、ドイツが無条件降伏し、ドイツに中央政府が存在しないことが決定されたため、6月8日に日本政府はドイツ大使館の職務執行停止を通告しました。大使館跡地は外務省の管理下に移されました。

スターマー大使以下大使館員は、富士屋ホテルと河口湖に軟禁されました。大使館付警察武官のヨーゼフ・マイジンガーは、反ナチ的な言動をする大使館員の動向を特高に伝えるなどしたため、大使館員たちは外務省に抗議しましたが、マイジンガーは特高との個人的関係で動いていたため、制止されませんでした。

分裂と再統一

第二次世界大戦終結後、マイジンガーは逮捕され、旧大使館員はドイツ本国に送還されました。ドイツ分裂後、日本は西ドイツと東ドイツと国交を樹立し、それぞれ大使館が設置されました。1990年のドイツ再統一により、大使館も統合されました。

所在地

東京都港区南麻布四丁目5-10

日比谷線広尾駅1番出口から徒歩5分。

関連項目

在大阪・神戸ドイツ総領事館
外務省 (ドイツ)
駐日ドイツ大使
在ドイツ日本国大使館
* 日独関係

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