久保正幡

久保 正幡（くぼ まさはた）

久保正幡は、1911年11月26日に栃木県で生まれ、2010年1月20日に亡くなった、著名な法制史学者です。彼は東京大学で長年にわたり教育と研究に尽力し、西洋法制史の分野においては特に著名です。

学歴とキャリア

久保は1931年に武蔵高等学校を卒業し、同年に東京帝国大学法学部に入学しました。1934年に法律学科を卒業後、助手として学内でのキャリアをスタートさせ、1936年には助教授に昇進、その後1946年に教授に就任しました。この間、法学の分野に貢献し続け、1951年には「サリカ法典」に関する研究で日本学士院賞を受賞しました。1954年には「フランク時代におけるゲルマン法とローマ法」で東京大学法学博士の学位を取得しています。1965年には法学部長としての役割も担い、1972年に定年を迎えるまで多くの学生に影響を与えました。定年退官後は名誉教授となり、國學院大學で教授としても教鞭を執りました。1982年には退職しました。

功績

久保は学術界において多くの重要な役割を果たし、日本学術会議の会員としても活動していました。また、宗教法人審議会の委員も務め、学問の発展と社会における法の理解に寄与しました。彼の研究テーマは主に西洋の法制度に関するものであり、中でもフランク時代の法についての研究が特に評価されています。彼の著作は、その内容と深さにおいて高く評価され、今なお法制史の学問の礎として位置付けられています。

主な著書や訳書

久保正幡の著作には『西洋法制史研究 フランク時代におけるゲルマン法とローマ法』があり、これは彼の研究活動の集大成とも言える一冊です。また、彼は編著として『中世の自由と国家 西洋中世前期国制史の基礎的諸問題』を全3巻にわたり出版しています。さらに、翻訳活動にも力を入れ、多くの重要な法典を日本語に翻訳しました。

彼の翻訳作品の中には、『リブアリア法典』や、ルードルフ・ゾームとの共訳による『フランク法とローマ法 ドイツ法史への序論』などが含まれ、これらは法学を学ぶ上での貴重な資料とされています。彼の仕事は、法制史の研究者だけでなく、法律に関心を持つ全ての人々にとって有益なものでした。

結論

久保正幡は、日本における法制史の発展に大きく寄与した学者であり、彼の業績は現在でも多くの法学者に受け継がれています。その学問的な成果は、後の世代にも大きな影響を与え続けていることから、彼の存在は法制史の分野において極めて重要なものといえるでしょう。

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