久保田音二郎

久保田音二郎について

久保田音二郎（くぼた おとじろう）は、日本の著名な会計学者であり、その業績は日本の会計学の発展に大いに寄与しました。彼は1908年3月30日に大阪市住吉区安立町で生まれ、1979年7月1日にその生涯を閉じました。神戸大学の名誉教授として知られ、また日本学術会議のメンバーとして、学問の普及と発展に努めました。

学歴と経歴

久保田は1931年に関西学院高等商業部を卒業し、その後1934年には神戸商業大学を卒業しました。在学中は平井泰太郎ゼミで会計学を専攻し、その基礎を築きました。卒業後は関西学院高等商業学校の講師としてキャリアを開始し、1938年には教授に就任。1941年には山口高等商業学校に移り、同教授職を務めました。

その後、1945年には神戸経済大学の助教授に就任し、1949年には神戸大学の教授に昇進します。1954年には経営学博士の学位を取得し、1962年には神戸大学経営学部の学部長に就任しました。さらに、1965年には企業会計審議会の委員となり、1968年には日本学術会議の会員に選出されました。神戸大学の名誉教授の称号を得たのは1971年のことで、関西学院大学でも教授として教鞭を執りました。

彼の功績は社会的にも評価され、1979年に勲三等旭日中綬章を受章し、同年には叙従三位に任じられました。

著書と研究

久保田音二郎は、多くの著書を執筆し、会計学の領域において深い知見を提供しました。主な著作には、1938年の『原価構成論』をはじめ、1942年には『間接費会計論』、1944年には『工業原価計算論』や『統一原価計算制度論』などがあります。これらの著作は、彼が会計学の発展にどれほど貢献したかを物語っています。

また、彼は『財務諸表監査』や『内部監査制度』といった重要なテーマについても出版を行い、これらは会計実務における基礎的な知識として広く利用されています。1970年代には『現代内部監査』や『監査役監査制度』など、監査に関する研究も行い、実務に直結する内容を数多く発表しました。

最後に

久保田音二郎は、その学術的な業績だけでなく、次世代の会計学者の育成にも貢献しました。彼の人生は、学問への情熱とコミットメントの象徴であり、現代の会計学の発展において欠かすことのできない人物です。彼の著書は今もなお多くの人に読まれ、後進の研究者たちへの大きな影響を与え続けています。

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