従三位

従三位（じゅさんみ）

従三位は、日本の位階制度及び神階制度における重要な地位であり、正三位の下、正四位上の上に位置します。この位階は、律令制において任参議や従三位以上の者を公卿と呼ぶことからも、その影響力を示しています。また、贈位としても贈従三位という形で名を残すことが可能でした。

概要

律令制下では、従三位以上は「貴」と称され、また「星の位」とも言われており、上級貴族に属する位階でした。このため、勲等の観点から見ると、従三位は勲二等に対応し、正四位上参議や従三位以上の官職を持つ者は公卿、また上達部となることが一般的でした。

また、律令制のもとでは、正四位上参議や従三位以上の有位者は、氏の下に「朝臣」の称号を持ち、自らの名の下に「卿」と呼ばれる敬称を付けることが求められました。大臣に任命された者には「公」と称されましたが、公卿でない四位以上の者は氏と名の下に「朝臣」を名乗ることが常でした。三位以上の公卿が亡くなった際には、皇族と同様に薨去と呼ばれ、後の世では「三位殿」や「三位様」とも称されました。

政治と官職

三位以上の者は、政所を開くことが許され、家司として職事従三位家令や少初位下職事三位家書吏を持つことができます。従三位に相当する官職には、大宰帥や弾正尹、中納言、近衛大将があり、これらの職に就く者は通常、正三位以上であることが求められました。特に、大宰帥や弾正尹は親王が任官することが多く、従三位の者が任を受けることは少なかったのです。

平安時代と武士の台頭

平安時代には、平清盛が武士として初めて公卿の位に上り、清和源氏や桓武平氏の正四位がその後ろ盾となりました。源頼政が武家源氏として初めて従三位に昇進した例は、当時の特殊な状況を見せています。室町時代にかけて、従三位は様々な氏族に授けられ、例えば足利将軍家の連枝や鎌倉公方などもその一部です。守護大名の名が挙がる中、特に有力大名による叙位が進んでいく流れが見受けられます。

戦国時代から近代へ

戦国時代の後期には、織田信長や豊臣秀吉のもとで、支持者や一門に従三位が授与されました。信長が自身の息子に従三位を与える一方、秀吉もその有力な家臣たちに同じく三位を授けました。江戸幕府時代には、将軍家とその親族がこの位階に叙せられることが多く、明治維新後も従三位が広く認知され続けました。

現在の従三位

明治20年の叙位条例では、従三位が子爵に相当する扱いを受けることとされ、現在では国会議員や都道府県知事などが主にこの位階が贈られます。今日では、学者や芸術家も文化勲章の授与に伴い、死後に叙位されることが一般的です。このように、従三位は日本における重要な位階として歴史的にも現代においても影響を持っています。

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