久木 (逗子市)

久木（ひさぎ）概説

久木は神奈川県逗子市の町名であり、面積は2.41平方キロメートルと市全体の約14%を占めています。町名は久木1丁目から久木9丁目まで存在しますが、その大部分が在日米軍の管理下にある池子弾薬庫跡地に含まれ、町としての区画が明確ではありません。

地理的特徴

久木は逗子市の北西部内陸に位置し、周辺には逗子市池子、山の根、逗子、新宿、小坪などの町名があります。また、北側は鎌倉市と接しています。かつての集落は谷戸に囲まれた地形。昭和30年代には交通の発展とともに「鎌倉逗子ハイランド」として宅地開発が進行し、現在の久木8丁目と接する地域が誕生しました。

主要な交通路には神奈川県道311号鎌倉葉山線とJR横須賀線があり、特に311号線は元々海軍用として整備された道路です。この地域では、いくつかの海軍標石が見ることができます。また、新興住宅地を経由する道路は神奈川県道204号金沢鎌倉線に接続し、交通量が多いエリアとして知られています。

さらに、久木川が町域内を流れており、その一部は現在暗渠化されています。久木の山腹には歴史的な寺院があり、733年に創立されたとされる岩殿寺、そして日蓮が難を逃れた歴史ある法性寺があります。また、鎌倉時代の巡礼古道もかつては存在していましたが、宅地開発により一部が失われています。

学校・教育機関

久木地区には、逗子市立久木小学校および久木中学校、さらには私立の聖和学院（幼稚園、中学校、高等学校）もあります。教育の場が多く、市民の教育レベル向上に貢献しています。

地価と経済

2023年の公示地価によると、住宅地の価格は久木の各地点で8万円から18万円以上と、地域によって変動があります。久木は自然環境に恵まれた一方、地価は安定しており、住民にとって魅力的な居住地となっています。

歴史的背景

久木地域には古墳時代の横穴墓が発見されており、特に久木5丁目の横穴古墳群は地元の有力者の墓だと考えられています。また、近世に入ると、この地は久野谷と呼ばれ、江戸時代には久野谷村と柏原村が合併して久木村となりました。明治時代には交通の整備が進み、新たなトンネルが建設され、地域の発展に寄与しました。

戦時中は、軍の弾薬庫建設による土地の接収があり、多くの住民が強制的に移転を余儀なくされました。この土地はその後も米軍に使用され、退役後は地域に返還されず今日に至ります。

環境・自然

近年では、池子の森自然公園が設立され、地域の自然環境保護が進められています。この公園には独特の生態系が広がり、特に水環境の保全が行われています。

結論

久木は自然と人々の歴史的な背景が融合した地域です。地域の魅力は、教育機関の充実や豊かな自然環境にあり、今後もその魅力を保ち続けることでしょう。久木の歴史や文化を知り、訪れる価値があるエリアであることに間違いありません。

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