久留米藩の歴史と特徴
久留米
藩(くるめはん)は、福岡県
久留米市に位置する久留米城を中心に、
1620年から幕末まで続いた
藩です。時代を通じて、有馬家が
藩主を務め、21万石を領有しました。この
藩は『米
藩』の別名でも知られています。
藩の歴史は、先代の草野氏や
蒲池氏の治世から始まり、豊臣時代を経て有馬氏が統治を行うようになりました。
1. 藩の前史と豊臣時代
久留米地域は、古くから草野氏によって約400年にわたり統治されていましたが、
豊臣秀吉が九州を治めた際、小早川秀包が久留米城を居城とし、後に
関ヶ原の戦いで改易されました。その後、田中吉政が筑後一国を領有した後、吉政の死去により所領が分割され、最終的に久留米の21万石が有馬豊氏の手に渡ることになりました。
2. 有馬家の統治
有馬家の始まりは播磨の名門から派生したもので、初代
藩主の有馬豊氏は
丹波国からの転封で久留米に着任しました。彼の治世において、久留米城の再築が行われ、
城下町も整備されました。豊氏は農業の生産性向上のために水利事業を推進しましたが、
藩の財政に影響を及ぼしました。歴代
藩主セレクションによって、
藩の運営は時折波乱の経緯をたどることとなります。
3. 江戸時代の変革と困難
江戸時代中期、
藩主頼徸は関流
和算家として知られ、数学書の著述を行いましたが、
享保の大飢饉などの災害により、
藩政が難しくなりました。また、頼貴と頼徳の時代には趣味に没頭して
藩財政が悪化し、百姓
一揆などの農民反発が相次ぎました。
4. 幕末の政治的対立
幕末の時代において、
藩内では尊王攘夷派と佐幕派の対立が顕著になり、特に天保学連が登場するなど、
明治維新に向けての動きが活発化しました。
藩内の情勢は大政奉還などを経て変化を遂げ、
藩は新政府軍の一員となり戦争に参加しましたが、最終的には
明治政府との衝突もありました。
5. 明治維新とその後
1871年に
廃藩置県が行われ、久留米
藩は消滅し久留米県に編入されました。その後は福岡県に組み込まれる形になり、
藩主の有馬家は華族となり、
伯爵の地位を得るなど歴史の舞台から姿を消しました。
藩の歴史は貴重な文化遺産として展開され、久留米城址にある有馬記念館にはその遺品が保存されています。菩提寺には
重要文化財に指定された有馬家の霊屋が存在し、今日でも地域の歴史を証明しています。
このように、久留米
藩は歴史、文化、政治と多岐にわたる影響を持ち、
明治時代以降もその名残を残しております。