久留米城

久留米城の歴史と特徴

久留米城（くるめじょう）は福岡県久留米市の篠山町に位置していた歴史的な城で、筑後地域における重要な要塞として知られています。このお城は、筑後川の左岸で、高低差約15メートルの丘陵の上に築かれたことが特徴です。江戸時代には久留米藩の藩庁が置かれ、有馬氏がこの地を治めていました。しかし、近代に入ると城は解体され、現在では本丸に有馬記念館と篠山神社が存在し、周囲は市街地として利用されています。2017年には「続日本100名城」に選定され、歴史的な価値が再評価されました。

城の沿革

久留米城の歴史は室町時代にさかのぼります。永正年間（1504年 - 1521年）には、この地の土豪によって篠原城という名の砦が築かれたと言われています。その後、様々な修築を経て、1573年には高良山の座主である良寛の弟、麟圭が城主となりました。耳川の戦いでは大友方として良寛が戦いに出陣し、麟圭が寝返る一幕もありました。1587年、豊臣秀吉が九州を征服し、麟圭はその後悲劇的に命を落としました。

秀包が城主となった安土桃山時代には、大規模な改築が行われ、天守などの城郭が整備されました。しかし、秀包は関ヶ原の戦いで西軍に加担したため、戦後に改易されました。江戸時代には田中氏が城主となり、再び城が重要な拠点となりましたが、1615年の一国一城令により廃城となりました。その後、1649年には有馬氏が城を拡充し、城下町の整備も行われました。

久留米城の構造

久留米城は連郭式の平山城で、天然の堀として筑後川を利用し、高台に本丸を築く設計が特色です。本丸は東西約96.4m、南北約156.4mで、周囲には多くの櫓が配置されていました。城には城主の居住空間や政務が執り行われる本丸御殿が存在しましたが、明治時代に廃城令により解体され、しばらくして篠山神社がその場所に建てられています。

本丸には、本丸御殿や各種の櫓が配置されており、多門櫓で連結された三重櫓が各隅に設けられていました。近代にはほとんどの建物が解体されたため、現在は一部の石垣や水堀のみが残っています。

現代における久留米城

1871年に廃藩置県により久留米城は正式に廃城とされましたが、その後も周辺の地域に影響を与え続けています。明治時代以降の建設活動の中で、城跡には篠山神社や有馬記念館が建設され、地域の歴史として大切に受け継がれています。1983年には久留米城跡が福岡県の県史跡に指定され、文化的な価値が高まっています。

今後も久留米城は地域の歴史的なシンボルとして語り継がれ、多くの人々に愛される存在であり続けることでしょう。

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