久米美術館

久米美術館：近代洋画と歴史資料が織りなす文化空間

東京都品川区上大崎に位置する久米美術館は、日本近代洋画と歴史学者久米邦武ゆかりの資料を収蔵する美術館です。1982年10月、目黒駅前に開館して以来、多くの美術愛好家や研究者を魅了し続けています。

巨匠たちの競演：久米桂一郎と黒田清輝、そしてラファエル・コラン

美術館の所蔵品は、近代洋画史において重要な位置を占める作品群です。特に、創設者である久米桂一郎の主要作品は、美術館の核と言えるでしょう。フランスでラファエル・コランに師事した久米桂一郎の「林檎拾い」「秋景」「清水寺」「晩秋」「少女」など、繊細な描写と豊かな色彩感覚が光る作品の数々が展示されています。

興味深いのは、黒田清輝とのつながりです。コランの弟子であった二人には深いつながりがあり、その関係性を示すかのように、黒田清輝の代表作も数点所蔵されています。「久米桂一郎肖像」「グレーの水車場」「画室にての久米桂太郎」「自画像」など、黒田清輝の画業を理解する上で貴重な作品群です。さらに、コラン自身の作品「夏の野」も展示されており、師弟関係や当時の美術界の潮流を垣間見ることができる貴重な機会となっています。

歴史資料との融合：久米邦武コレクション

久米美術館の大きな特徴は、絵画と歴史資料の両方を展示している点にあります。久米桂一郎の父、歴史学者である久米邦武が収集した膨大な資料は、日本の近代史研究において貴重な情報源となっています。これらの資料は絵画作品と並んで展示されており、近代日本の文化と歴史を多角的に理解するための貴重な機会を提供しています。

ただし、展示内容は定期的に変更されるため、事前に美術館のウェブサイト等で確認することをお勧めします。目的の作品や資料を確実に鑑賞するためには、事前に情報を集めておくことが重要です。

アクセスと開館時間

久米美術館は、JR山手線・東急目黒線・地下鉄南北線・都営三田線目黒駅から徒歩圏内に位置しており、アクセス抜群です。三井住友銀行が入居する久米ビル8階に所在しています。開館時間は10:00～17:00（入館は16:30まで）で、休館日は月曜日（月曜日が祝日の場合は翌日休館）です。

まとめ

久米美術館は、近代洋画の傑作と貴重な歴史資料を同時に鑑賞できる、他に類を見ない美術館です。目黒駅からのアクセスも良く、充実した一日を過ごすことができます。近代洋画や日本近代史に興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。ただし、展示内容は変動するため、事前に確認することを忘れずにお楽しみください。

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