久美かおり

久美かおりのプロフィール

久美かおり（くみ かおり、本名・深町陽子）は、1948年2月4日に東京都渋谷区で生まれた日本の歌手および女優です。彼女は1967年から1970年に渡辺プロダクションに所属し、音楽界と映画界で活躍しました。特に、映画『ザ・タイガース』シリーズでのヒロイン役が注目を浴び、第10回日本レコード大賞・新人賞（女性部門）を『くちづけが怖い』で受賞するなど、彼女の名は広まりました。

経歴

久美は、東洋音楽大学付属高等学校に在籍していた頃、ジャズシンガーを目指し、マーサ三宅に師事しました。ホテルニューオータニなどでのパフォーマンスが評価され、平尾昌晃の推薦で渡辺プロダクションに加入します。ミュージック・スポット「メイツ」での活動を経て、1967年12月、植木等主演の映画『日本一の男の中の男』に「メイツガールズ」として出演し、名が知られるようになります。

1968年の映画『ザ・タイガース 世界はボクらを待っている』ではヒロイン・シルビイ役に抜擢され、さらに『題名のない音楽会』や映画『100発100中　黄金の眼』の主題歌も担当しました。7月には『くちづけが怖い』でレコードデビューを果たし、翌12月のレコード大賞新人賞では、歌唱中に感極まる一幕も見られました。

しかし、1969年の映画『ザ・タイガース ハーイ!ロンドン』を最後に芸能活動を休業し、1970年3月に引退。その後、ニッポン放送でアシスタント・ディレクターとして『カメ・カメ・ポップス』を担当しました。1973年には、作曲家の溝淵新一郎と結婚しました。

引退後の活動

引退後は公式の場には姿を見せませんでしたが、1982年に沢田研二のラジオ番組に出演した際、ザ・タイガースとの映画撮影の思い出を語っています。2000年12月には、彼女のシングル曲を集めたCD『星のプリンス』がリリースされました。また、2007年には、ザ・タイガースの映画全3作がDVDとして発売され、彼女はその特典ディスクにメッセージを寄せました。

エピソード

久美かおりのデビューについては誤解があり、映画『ザ・タイガース 世界はボクらを待っている』のヒロイン役オーディションに合格してデビューしたと誤解されがちです。デビュー当初はザ・タイガースの熱心なファンから嫉妬を受けることもありましたが、次第に「憧れのお姉さん」として支持を受けるようになりました。彼女の引退理由については、本人が希望する芸能活動と事務所の方針に齟齬があったことが大きな要因で、そのことが後にインタビューで明らかにされています。

近年では、2022年に阪神タイガースのキャンプで一言片言が話題になったこともあります。久美かおりの音楽と映画に対する影響は今もなお続いており、多くのファンに愛されている存在です。

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