久美浜代官所

久美浜代官所について

久美浜代官所（くみはまだいかんしょ）は、江戸時代に丹後国熊野郡久美浜（現在の京都府京丹後市久美浜町）に置かれた幕府の代官所です。この代官所は、久美浜城の麓にあった館跡に建てられました。現在の京丹後市立久美浜小学校付近に位置していたとされています。

歴史

天領となるまで

久美浜代官所の歴史は、丹後国が天領となったことに始まります。寛文6年（1666年）、京極家が治めていた丹後宮津藩が改易されたことに伴い、熊野郡久美浜は幕府の直轄地、つまり天領となりました。当初、代官所は加佐郡に置かれていましたが、その後、久美浜は宮津藩領と天領の間を数回にわたり変動します。寛文9年（1669年）には宮津藩領となり、延宝8年（1680年）には再び天領、天和元年（1681年）には再度宮津藩領となりました。

久美浜代官所の成立

享保20年（1735年）、久美浜が再び天領となると、代官の海上弥兵衛によって、従来の湊宮船見番所が久美浜に移され、代官所として整備されました。これにより、久美浜代官所は本格的に機能を開始します。

広大な管轄区域

久美浜代官所は、丹後国と但馬国の2国にまたがる約7万石という広大な地域を管轄しました。これは、幕府にとって重要な拠点であり、この地域における政治や経済の中心としての役割を果たしていました。

明治維新と久美浜県

幕末の動乱期、慶応4年（1868年）に明治維新を迎えると、久美浜代官所は新たな役割を担うことになります。明治政府によって置県が実施されると、久美浜代官所はそのまま県庁として利用され、久美浜県が設置されました。このように、久美浜代官所は、江戸時代から明治時代にかけて、地域の行政の中心としての重要な役割を果たしました。

参考文献

『日本歴史地名大系 26 京都府の地名』平凡社、1981年
「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 26 京都府 上巻』角川書店、1982年

関連項目

生野代官所
生野県

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