熊野郡について
熊野郡(くまのぐん)は、かつて
京都府丹後国に存在した郡であり、1879年に行政区画として正式に発足しました。この地域は、現在の
京丹後市の一部、特に
久美浜町の各町に該当します。
郡域
熊野郡の設立時には、その郡域は
京丹後市の一部としてあり、特に
久美浜町内の各町が含まれていました。この地域は、自然が豊かで観光資源も充実しており、歴史的にも多くの遺産を有している場所です。
歴史
古代
熊野郡の歴史は古く、古代にはいくつかの郷が存在していました。『和名類聚抄』には、以下の名称が記されています:
- - 田村郷
- - 佐濃郷
- - 川上郷
- - 海部郷
- - 久美郷
また、『延喜式』神名帳には郡内の式内社に関する記録も見られます。
近世以降の沿革
熊野郡は明治初めまで、久美浜代官所の管轄下にあり、幕府領としての位置付けを持っていました。明治初年時点では、53の村が存在していたことが、「旧高旧領取調帳」に記されています。その中には、市野々村、布袋野村、畑村、金谷村、などが含まれていました。
1868年には府中裁判所の管轄となり、以降、久美浜県、豊岡県、
京都府といった行政区分が変遷しました。1879年
4月10日には、郡区町村編制法に基づき熊野郡が正式に設立され、郡役所が久美浜村に置かれました。
1889年には町村制が施行され、次の9つの村が発足しました:
- - 久美浜村(単独村制)
- - 久美谷村
- - 川上村
- - 海部村
- - 上佐濃村
- - 下佐濃村
- - 田村
- - 神野村
- - 湊村
その後、久美浜村は1894年に町制を施行し
久美浜町となり、1899年
7月1日には郡制を施行します。さらに、1902年には熊野郡立農林学校(後の
京都府立久美浜高等学校)が設立され、地域の教育にも寄与しました。
1923年には郡会が廃止され、郡役所はその後も存続しましたが、
1926年には郡役所も廃止され、以降は地域区分名としての熊野郡が残る形となりました。
昭和26年(
1951年)には、合併を通じて佐濃村が新たに発足し、その後もいくつかの村が合併していきました。
1955年には
久美浜町が新たに発足し、
1958年には佐濃村が
久美浜町に編入されるなど、郡の構成が変動しました。
2004年4月1日には、
久美浜町が他の町と合併して新たに
京丹後市が発足し、同時に熊野郡は消滅しました。
結論
とりわけ熊野郡はその豊かな自然と歴史的な背景から、地域住民にとって重要な場所となっていました。
京丹後市として再編された現在でも、その名残が各地に見られます。