久那橋

久那橋の概要

久那橋（くなばし）は埼玉県秩父市久那から荒川上田野の間に位置する、秩父市道幹線12号に架かる道路橋です。この橋は荒川の129.3キロメートル地点にあり、全長140メートル、全幅10メートルで、車道の幅は6.5メートル、歩道は2.5メートルとなっています。構造は2径間のPCTラーメン箱桁橋で、最大支間長は69.3メートルです。特徴的な「T」の字型の形状を持っており、歩道は下流側にのみ設置されています。また、右岸の河岸段丘面と左岸の荒川流路沿いの低地を結んでおり、高低差があるため縦断勾配もあります。南側には国道140号の久那橋入口交差点があり、橋の管理は秩父市が行っています。

さらに、久那橋は西武観光バスの久那線の経路にも指定され、右岸寄りの最寄りバス停は「浦山常盤橋」です。

歴史

久那橋が架かる以前、この地方には無名の渡し場が存在していました。ここでは川漁師が運営する遊漁船を使って渡船が行われ、漁撈のついでに無賃で乗せられていました。これは1930年ごろに廃止されましたが、その後、1933年に久那村の落合地区と栗原地区が共同で架設した幅2.7メートルの吊り橋が「久那橋」と名付けられました。この橋は当然のことながら歩行者と自動車が利用でき、地域の発展に寄与しました。しかし、老朽化が進み、1982年に通行制限が設けられました。その後、この旧久那橋は1983年に撤去され、その近くには新しいコンクリート製の丸い柱を持つ中ノ橋が建設されました。

新たな久那橋の建設に向けた動きは1970年に始まり、1977年に工事が着工されました。1982年には新しい久那橋が開通し、旧橋の150メートル下流側に設置されました。この新橋はPCポストテンション方式の箱桁橋であり、架設工法には当時新しい技術が用いられました。開通式は1982年12月21日に行われ、秩父市と荒川村を結ぶ重要な役割を果たしましたが、荒川村は2005年に秩父市と合併しました。

周辺環境

久那橋の周辺には、荒川の河岸段丘が広がっており、下流側の巴川橋にかけては一定の蛇行を描きながら流れています。左岸側は河原や緩やかな地形が続き、右岸側は急峻な段丘崖があります。他にも、この周辺にはいくつかの観光施設や自然公園も点在しており、特に河川保全の取り組みが行われています。地元市民の憩いの場としても利用される計画があり、今後も地域の美しい自然環境を保護しながら、さらなる発展が期待されています。

久那橋は「ぐるっと埼玉サイクルネットワーク構想」に基づく自転車ルートにもなっており、地域の観光資源としても重要な存在です。

まとめ

久那橋は、その美しい景観と歴史的な背景を持つ埼玉県秩父市の重要な交通手段です。地域の発展や観光振興にも寄与し続けており、訪れる人々にとって魅力的なスポットとなっています。

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