久須美東馬

久須美 東馬の生涯

久須美東馬（くすみとうま、1877年11月6日 - 1947年10月22日）は、明治末から昭和初期にかけて活躍した実業家および政治家であり、衆議院議員としても知られています。彼は新潟県三島郡小島谷村で、実業家および政治家として知られる久須美秀三郎の長男として誕生しました。

学歴と早年の業績

開成中学校（現在の開成中学校・高等学校）を卒業後、1901年に東京専門学校（現・早稲田大学）英語政治科を卒業しました。この学業を経て、1906年に越後鉄道の敷設計画に参画し、1911年には越後鉄道が設立されると常務取締役に就任しました。その後、同社の社長や寺泊銀行の監査役、新潟日報社の監督など、数々の要職を歴任しました。特に日英醸造でする経営も行い、その成長に寄与しました。

政治活動

1915年には、衆議院議員総選挙において新潟県郡部から立憲同志会に属して立候補し、見事当選を果たしました。その後も次回の選挙においても当選し、連続して衆議院議員として活動しました。彼はこの時期、政治的な影響力を持ち、地域の発展に寄与したとされています。

しかし、彼の政治生命は波乱に満ちていました。日英醸造の経営が資金面で困難を抱える中、越後鉄道の国有化を巡って政治家への働きかけを行ったところ、収賄の疑惑が生じ、逮捕される事態に至ります。この出来事は越後鉄道疑獄事件として知られ、彼の名声に大きな傷をつけることとなります。予期せぬ逮捕後は民事訴訟が行われ、最終的には財産が差し押さえられ破産宣告を受けました。さらに裁判では、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年、さらには汚職に対する罰金を科せられるという厳しい判決が下されました。

家族とその後

久須美東馬の家庭は政治や実業界でも影響力を持つ層に属していました。彼の父、久須美秀三郎は地元の有力者であり、母のケイも新潟県の地主家系に生まれるなど、華やかな系譜を持っていました。彼には弟、本間賢介があり、農学博士としても知られています。家族の絆は深く、特に長男の康馬が養子として久須美家を継ぎました。

妻の鉐子は出羽庄内藩の藩主・酒井忠宝の娘であり、良縁を得て家族の繁栄を支える存在でした。また、養女の内村美代子は、優れた家系に位置する人物であり、さらなる社会的な繋がりを築く様になりました。

最後に

久須美東馬の人生は、成功と挫折が織り交ぜられたものであり、彼の業績は日本の実業と政治に重要な影響を及ぼしました。その波乱に満ちた経歴は、時代背景を映し出す重要な物語となっています。彼の名前は、今なお歴史の中で語り継がれています。

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