九ちゃんのでっかい夢

映画『九ちゃんのでっかい夢』について

『九ちゃんのでっかい夢』（きゅうちゃんのでっかいゆめ）は、1967年1月2日に松竹が制作した映画で、山田洋次が監督を務めました。この作品は、カラーでワイド画面、上映時間は89分です。主要な登場人物である源九太郎を坂本九が演じ、物語は横浜を舞台に展開します。

物語のあらすじ

横浜で舞台芸人として活動する源九太郎は、突然の病に襲われガンの告知を受け、生きる希望を失ってしまいます。自らの命を絶つ決意をするが、いく度試みても死に切れず、友人のポンさんに殺し屋を雇うことを依頼します。

その一方で、スイスの古城に暮らす大富豪の老嬢が登場します。彼女は、かつての恋人の孫である九太郎に莫大な遺産を送ることを決意し、日本に代理人を送り込みます。しかし、遺産を狙う彼女の唯一の親族であるポウ氏が、九太郎を排除し遺産を独り占めすべく殺し屋を日本に派遣します。物語は、九太郎の病気を心配する喫茶店の女性、愛子の行動によって進展し、彼女が病院の主治医に接触することで意外な真実が明らかになります。

スタッフとキャスト

この映画の脚本は山田洋次をはじめ、大嶺俊順、熊谷勲、宮崎晃が共同で手掛けました。原作は三木洋の短編小説「消えた動機」で、坂本九が主役であることから、彼との関わりの深い小林信彦が原作者として名を連ねています。山田洋次が監督を任される前に、本作のクオリティを心配したため、原作者名が仮名として使われました。

主題歌には坂本九が歌う「街角の歌 夢はどこにある」が使用され、音楽を山本直純が担当しています。また、劇中には「愛の夢」の舞踏シーンもあり、多彩なパフォーマンスが観客を楽しませます。キャストには、倍賞千恵子（愛子役）、竹脇無我（平清彦役）、ジェリー藤尾（弁護士役）、および他にも多数の著名な俳優が名を連ねています。

映像ソフトと受容

本作は、1998年に「松竹ホームビデオ」からVHSとしてリリースされましたが、その後は廃盤となり、2005年にはDVDとして再発売されています。この作品は、坂本九が主演する映画として特に注目されており、彼の歌声や演技が評価されています。

その他

映画には劇中で『泣いてたまるか』から「かわいい怪獣ナキラ」の着ぐるみも登場し、さらなるユーモアを提供しています。また、この作品の同時上映には『シンガポールの夜は更けて』があり、幅広いジャンルの映画が楽しめる機会が提供されました。

『九ちゃんのでっかい夢』は、人間の希望や悲哀を描くと同時に、コメディの要素も取り入れることによって、観客に深いメッセージを伝える作品となっています。

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