九七式軽迫撃砲

九七式軽迫撃砲について

九七式軽迫撃砲（97しきけいはくげきほう）は、大日本帝国陸軍において採用された迫撃砲であり、その設計は昭和12年（1937年）から開始されました。正式な制式は昭和18年（1943年）3月に制定されたことから、九七式と名付けられています。この迫撃砲は特に南方戦線での使用において重要な役割を果たしました。

背景と開発経緯

当時、陸軍は毒ガス弾を発射するための九四式軽迫撃砲を開発していました。しかし、その設計は駐退復座機を備えていたため、複雑で生産効率が低く、実用性が不足していました。そこで、九七式軽迫撃砲はその欠点を克服するために、駐退復座機を取り除き、運用性向上を図った設計がなされました。

設計作業は1937年10月に始まり、翌年の3月には試製が完了しました。駐退復座機を廃止したこの銃の設計の特色は、発射時の反動を大型の床板で受け止めるという点にありました。これは九四式軽迫撃砲との共通点も持ちながら、よりシンプルで高効率なものとなることを目指しました。

床板の研究と製造過程

床板については慎重に研究が進められました。1940年6月に鋼製の主要な床板（床板「甲」）と、その下に樫木で作られた副床板（床板「乙」）を設置することで、発射時の床板の陥没を防ぐことが決定されました。この結果、全体の重量は先行する九四式軽迫撃砲を上回ることとなりました。仮制式上申は1940年9月に行われるものの、正式な製式制定まではさらに待たねばならない状況でした。

生産と実戦運用

正式な制式名は九七式に決定されましたが、本格的な生産はこの制定以前よりも後に始まったと考えられています。大阪造兵廠第一製造所の調査によれば、1942年10月までには159門が製造されています。この数字からも、この迫撃砲が実際に戦場でどれほど活躍したのかが伺えます。

戦場での役割

九七式軽迫撃砲は太平洋戦線、特に南方の戦闘において重要な武器となりました。特徴的な設計と実用性の高さにより、急速にその運用が広まり、部隊において有効な火力を提供しました。兵士たちにとってこの砲は、さまざまな地形や状況において信頼できる支援火器となったのです。

今後、様々な資料が更新される中で、九七式軽迫撃砲の詳細についてはさらなる研究が期待されます。また、同時期に開発された他の迫撃砲との比較や、実際の戦場でのパフォーマンスについても興味を引くポイントです。

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