九天社

九天社（きゅうてんしゃ）とは

株式会社九天社は、かつて日本において出版活動を行っていた企業です。2001年8月29日、IT関連企業であった株式会社エクスメディアのかつての社員たちの手によって産声をあげました。創業の地は東京都中央区日本橋茅場町でした。

社名の由来は、古代中国の世界観における「九天」という概念から名付けられました。これは、天を九つに区分したという考え方であり、広がりや高みを目指すような出版活動への思いが込められていたのかもしれません。

沿革と終焉

九天社は設立後、主にビジネス書やマネー関連、そして当時のインターネットやIT動向に関する書籍などを中心に刊行を進めました。活動期間中にあたる2005年11月には、同じく中央区内の堀留町へと本社機能を移転しています。

しかし、創業からわずか7年足らずの2008年6月10日、同社は東京地方裁判所へ破産手続きの開始を申し立て、同年6月13日には破産開始決定を受けました。これにより、株式会社九天社はその歴史に幕を閉じ、活動を終えることとなりました。

主な出版物

九天社がその短い活動期間中に刊行した書籍の中には、ビジネスパーソンや個人の資産形成、そして当時の社会的な関心を集めていたIT関連のテーマを扱ったものが多く見られます。以下にその一部を挙げます。

『瞬時に「できる人」を見抜く面接ポイント―伝説の人事部長が教える』谷所健一郎 著
人材採用のプロフェッショナルである谷所健一郎氏が、面接を通じて人物を見抜くための要点を解説した、実践的なビジネス書です。
『生命保険のウソ・ホント―賢く・損せず生命保険・医療保険に入る方法』草野直樹 著
生命保険や医療保険の選び方に関する疑問に答え、読者が賢く保険を選ぶための知識を提供する一冊です。
『小さな会社の社長のお金を残すために絶対必要な本』岩佐孝彦 著
中小企業の経営者が直面する資金繰りや節税、資産形成など、お金に関する課題を解決するためのノウハウをまとめた書籍です。
『知らないと借りられない融資の掟―中小企業経営者と新規事業者のための』阿部雅彦 著
中小企業の経営者やこれから創業を目指す人々が、金融機関からの融資を受ける際に知っておくべきルールや手続きについて解説しています。
『新規開業時に融資を満額受けるために絶対必要な本』石橋知也 著
特に新規事業の立ち上げ時における資金調達、とりわけ融資を最大限に引き出すための具体的な手法やポイントを詳述しています。
『大学・専門学校進学のための進学費・奨学金・教育ローンガイド』石橋知也 著
高等教育への進学にかかる費用や、それを賄うための奨学金制度、教育ローンといった経済的なサポート制度について網羅的に解説したガイドブックです。
『すごくお金が貯まる社長に変わる本―FPだから書ける会社のお金・社長のお金の話』小山信康 著
ファイナンシャルプランナーの視点から、会社の資金管理と社長個人の資産形成の両面について、効果的にお金を貯めるための考え方や具体的な方法を示した書籍です。
『グーグル八分とは何か』吉本敏洋 著
特定のウェブサイトが検索エンジンの検索結果から意図的に排除される現象、いわゆる「グーグル八分」問題に焦点を当て、その背景や影響について論じた、当時のインターネットを取り巻く状況を反映した一冊です。
『ウィキペディアで何が起こっているのか―変わり始めるソーシャルメディア信仰』山本まさき, 古田雄介 著
集合知による百科事典であるウィキペディアの内部で起こっている出来事や、ソーシャルメディアに対する当時の見方や信仰の変化について探求した書籍です（後にオーム社へ販売権が移管されています）。
『Winnyはなぜ破られたのか―P2Pネットワークをめぐる攻防』園田道夫 著
ファイル共有ソフトWinnyを巡る技術的、法的、社会的な問題を掘り下げ、P2Pネットワークを取り巻く攻防について解説した、技術評論的な側面を持つ書籍です。

これらの出版物からは、九天社がビジネスや自己啓発、そして当時の先端技術であったITやインターネットに関するテーマに積極的に取り組んでいた姿勢がうかがえます。短い期間ではありましたが、特定の分野において社会の関心に応える出版活動を行っていたと言えるでしょう。

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