九宜駅

九宜駅（クイえき）

ソウル交通公社2号線の駅であり、広津区の中核的な交通結節点の一つです。

概要

大韓民国ソウル特別市広津区九宜1洞に所在するソウル交通公社2号線の駅です。駅番号は213が付与されています。広津区庁という副駅名が示す通り、駅周辺には広津区の行政機関をはじめとする公共施設が多く集まっています。広津区の中心部に位置し、日々の通勤・通学や行政サービス利用者のアクセスを担っています。

駅構造

駅は高架構造となっており、線路を挟んで向かい合う形式の相対式ホーム2面2線を有しています。利用者の安全確保のため、ホームにはフルスクリーンタイプのホームドアが設置されています。

駅の改札口は全部で2ヶ所設けられていますが、それぞれが内回りホーム、外回りホーム専用となっており、改札を通過した後にホーム間を行き来することはできません。駅施設内の化粧室（トイレ）は改札の外に配置されています。

駅舎はバリアフリーに対応しており、ホーム階と改札階、地上階を結ぶエレベーターが完備されています。地上への出入口は合計で4ヶ所（1番から4番）設置されており、周辺施設へのアクセスを可能にしています。なお、駅構内におけるホームの案内上の番号設定は行われていません。

駅周辺

副駅名にもなっている広津区庁が駅のすぐ近くにあります。その他にも、ソウル広津郵便局や東ソウル郵便集中局、KT広津支社、情報通信部調達事務所といった郵便・通信関連の公共・公益施設が集まっています。

また、教育機関としては東国大学校師範大学付属女子高等学校や建大付属中学校・高等学校といった学校が立地しています。国民健康保険公団広津支社のような公共サービス機関や、柴陽1洞住民センターのような地域住民のための施設も点在しており、広津区の中心機能が集約されたエリアと言えます。

歴史

九宜駅は、1980年10月31日にソウル交通公社2号線の駅として開業しました。

駅の歴史において特筆すべきは、2016年5月28日に発生した痛ましい事故です。この日、九宜駅のホームドアで保守点検作業を行っていた当時19歳の非正規従業員男性が、運行中の列車とホームドアの間に挟まれて亡くなるという重大事故が発生しました。この事故は、通称「九宜駅ホームドア死亡事故」として広く知られています。

事故の背景には、複数の問題点が指摘されました。特に、ホームドアの保守作業に関する安全マニュアルが遵守されていなかったことが挙げられます。具体的には、「二人一組で作業を行うこと」「列車運行時間帯に線路側の作業は行わないこと」「作業実施時には駅員に報告すること」といった基本的な安全規則が守られていなかったとされます。さらに、事故後のソウルメトロ（当時の運営事業者）の対応や、責任を犠牲者個人に転嫁しようとする姿勢に対して、組織的な安全管理意識の欠如や体質が強く批判されました。また、ホームドア保守を下請けしていた業者の、劣悪な労働環境や、若い非正規雇用労働者に対する不当な労働慣行が明らかになり、韓国社会における非正規雇用の問題、特に若年労働者の置かれた厳しい状況に対して大きな関心を呼び起こす契機となりました。この事故の影響で、一時的に列車の運行が約26分間停止する事態となりました。

利用状況

近年における九宜駅の一日平均利用人員は、統計データとして推移が記録されており、一定の利用があることが示されています。

隣の駅

ソウル交通公社
* 2号線
建大入口駅 (212) - 九宜駅 (213) - 江辺駅 (214)

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