九州大学先導物質化学研究所

九州大学先導物質化学研究所の概要

九州大学先導物質化学研究所（IMCE）は、化学の力を駆使して新しい物質や材料の創出を目指す九州大学の附置研究機関です。2003年に九州大学の機能物質科学研究所と有機化学基礎研究センターが統合され、新たに設立されました。研究所の設立の目的は、先導的で実用的な物質化学の総合的な研究を推進し、各専門分野の研究グループが連携することにあります。

研究分野

先導物質化学研究所では、以下のような広範な研究テーマに取り組んでいます。

• - 機能性分子の合成：新しい機能を持つ分子を作り出し、その応用を探ります。
• - 分子集積の化学：複雑な分子の集合体を化学的に理解し、新しい物質設計に寄与します。
• - 有機・無機融合材料：異なる性質を持つ材料を組み合わせ、新たな機能を持つ材料の開発を行います。
• - 先端材料の素子化：材料を用いたデバイスや素子の設計・開発を行います。

これらの研究は、学際的な視点からアプローチされ、多様な専門分野の研究者が協力して進められます。

沿革

先導物質化学研究所の歴史は1944年にさかのぼり、九州帝国大学木材研究所の設立から始まります。その後、1949年に九州大学生産科学研究所に再編され、1987年には機能物質科学研究所が設立されました。1993年には基礎有機化学研究センターが設立され、最終的に2003年に先導物質化学研究所として統合されました。2010年には物質・デバイス領域共同研究拠点として認定され、より広範な共同研究の舞台が整備されています。

組織構成

研究所は以下の主要な部門から構成されています。

• - 物質基盤化学部門：ナノ物性や反応理論、生命有機化学などが研究されています。
• - 分子集積化学部門：多次元分子配列や集積分子の機能を探求します。
• - 融合材料部門：ナノ組織化やヘテロ融合材料の研究が行われています。
• - 先端素子材料部門：エネルギー材料や光機能材料の研究が進められています。

また、物質機能評価センターもあり、実験支援や研究結果の展開を支える役割があります。

大学院教育

先導物質化学研究所に所属する学生は、九州大学のさまざまな学府や専攻で学びます。教育機関としては、物質理工学、量子プロセス理工学などがあり、学生は多彩な専門知識を取得できます。

所在地

九州大学先導物質化学研究所は二つのキャンパスに位置しています。筑紫地区は福岡県春日市にあり、伊都地区は福岡市に所在します。これらの立地は、多様な研究活動を支えるのに適した環境を提供しています。

関連する団体

先導物質化学研究所は、複数の大学との共同研究拠点を形成しており、特に東北大学、多摩大学、名古屋大学などとのネットワークを通じて、国内外の研究機関とも連携しています。

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