九州新幹線指令システム

九州新幹線指令システム SIRIUS

九州新幹線の運行管理システムであるSIRIUS（シリウス）は、九州旅客鉄道（JR九州）が運用する高性能なシステムです。システム名は、おおいぬ座にある最も明るい星、シリウスに由来し、その輝きから導入された優れた運行管理を象徴しています。このシステムは、列車の運行管理や制御機器の監視を網羅的に行い、効率的な運行を実現しています。

概要

SIRIUSは、2004年3月13日に九州新幹線の部分開業に伴い導入されました。当初は新八代駅と鹿児島中央駅を結ぶ運行が行われており、在来線である鹿児島本線の特急リレーつばめと新幹線つばめとの接続を考慮したシステムです。このため、主要在来線の運行管理システムである総合指令システム（JACROS）と連携し、互いの運行状況を共有しました。2011年には全線が開業し、JACROSとの接続は継続しています。また、JR東海やJR西日本の新幹線運行管理システム（COMTRAC）とも連携することで、山陽新幹線との直通運転も可能となっています。

システム構成

SIRIUSは、運行ダイヤ、輸送計画、指令情報伝達、旅客案内、車両、設備、保守作業計画などの管理を行います。以下に、構成要素となる9つのサブシステムの機能を紹介します。

1. 運行管理システム
このシステムでは、前日から翌々日までの4日間の列車ダイヤを管理します。自動進路制御、列車追跡、および各駅での進路や制限速度制御を一元管理します。

2. 輸送計画作成管理システム
列車ダイヤや車両、乗務員の運用計画を作成し、シミュレーション機能によって整合性をチェックします。

3. 車両管理システム
新幹線の車両検修業務を効率化し、故障予防や迅速な対応を実現します。

4. 指令情報伝達・旅客案内システム
運行当日の変更が発生した場合、これをシステム内で管理し、関係者に確実に情報を伝達します。

5. 作業計画管理システム
新幹線の保守作業を計画し、事故防止を図りながら円滑な業務を実施します。

6. 電力遠隔制御システム
電力供給の管理を行い、異常時における対応力を強化しています。

7. 設備管理システム
地上設備の状況を把握し、検査結果や保守計画を管理します。

8. 列車無線システム
車両と指令員間の通信を担当し、重要な情報を提供します。

9. 防災情報信通設備管理システム
防災情報や設備の監視を行い、運行の安全性を高めます。

結論

SIRIUSは、九州新幹線の効率的な運行を支える重要なシステムであり、その高度な技術と信頼性によって、地元住民や利用者に安心を提供しています。これにより、九州地域の交通インフラが強化され、持続可能で便利な交通手段が確保されています。

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