九州芸術工科大学

九州芸術工科大学の概要

九州芸術工科大学（きゅうしゅうげいじゅつこうかだいがく）は、日本における芸術工学の先駆者として、1968年に設立された国立大学です。最初のキャンパスは福岡県福岡市南区に位置し、日本国内で初めて本格的に芸術工学に特化した教育機関としてスタートしました。この大学の設立は、筑波大学のような研究重視の教育機関を模範にしたものであり、特に「芸術工学部」という名称自体も、国内外において珍しいものでした。九州という地域にあったにも関わらず、全国から多くの学生が集まりました。

設立の背景と経緯

大学が設立されるきっかけとして、福岡教育大学福岡分校の跡地が利用され、より専門的な教育の場を提供することが考えられました。設置された学部は、環境設計学科、工業設計学科、画像設計学科、音響設計学科、そして1997年に新設された芸術情報設計学科など、多岐にわたる分野に広がっていました。これらの学科は、芸術と工学を融合させた独自のカリキュラムを展開し、学生たちに創造力と実践力を養わせることを目的としていました。

九州大学との統合

2003年には九州大学との統合が行われ、芸術工学部は九州大学芸術工学部に、大学院芸術工学研究科は九州大学大学院芸術工学府・同研究院となりました。これにより、九州芸術工科大学という一つの独立した教育機関としての役割が終わりを迎えたのです。統合後も、以前に入学した学生は引き続き同様の待遇で学籍を保持していましたが、国立大学法人法の施行に伴い、学生たちは自らの学籍の取り扱いや卒業証書の発行について新たな課題に直面することとなりました。

統合後の学生生活

この統合後、学生たちは様々な課題に直面しました。特に、学籍が法律上存在しなくなることによって、「九州芸術工科大学卒業生」としての地位や資格がどうなるのかの問題が浮上しました。しかし、高等教育機関としての権利や資格は文部科学省によって保障されており、最終的には「九州大学卒」と「九州芸術工科大学卒」のどちらでも認識されるという結論に至りました。これは、入学当時の法律に配慮したものと見られています。

大学の沿革

この大学の沿革は、設立以前の1963年にさかのぼることができます。国立九州芸術大学設置期成会が創立され、1967年には九州芸術工科大学創設準備室が設立されました。1968年には正式に大学が開設され、その後の1972年には芸術工学専攻科が設置されましたが、1977年には廃止され、代わりに大学院芸術工学研究科が設置されました。2001年度には新しい専攻が設置され、最後に2003年に九州大学と統合されるまで、芸術工学の発展に貢献してきました。

アクセス

九州芸術工科大学のキャンパスは、福岡市南区の大橋地区に位置しており、西鉄天神大牟田線の「大橋駅」が最寄りの駅です。また、西鉄バスの「塩原4丁目」や「西鉄大橋駅」も近隣にあり、交通の便も良好でした。

このように歴史ある九州芸術工科大学は、現在は九州大学の一部としてその役割を果たし、芸術工学の教育と研究を続けています。

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