九州電力送配電

九州電力送配電株式会社

九州電力送配電株式会社は、九州地方の7県を所管している送配電事業者です。この会社は、九州電力の完全子会社であり、電力事業の効率化と公正な供給を目指しています。

会社概要

九州電力送配電の主な業務は、送電線や変電所、配電線の維持・運用です。2020年4月の電気事業法大改正以降、発電事業や小売電気事業を行うことが原則禁止され、九州電力は自社の送配電事業をこの子会社に移管し、独立した形で運営しています。

事業内容

九州電力送配電が行っている主な事業として、以下のものがあります。

1. 一般送配電事業：九州地方7県を対象にした送配電サービスを提供し、供給区域は42,232 km²にわたります。
2. 送配電網の維持：1万km以上の送電線、600以上の変電所、17万km以上の配電線を管理し、必要に応じて新たな接続を行います。
3. 系統運用：電力の安定供給を維持するため、発電や電力需要を監視し、調整する役割を担っています。
4. 託送供給：託送契約を結んだ小売電気事業者のために、電気を供給するサービスを提供しています。これにより、発電所から需要家へ電力が届けられます。
5. 最終保障供給：小売電気事業者からの供給を受けられない需要家に対して、電気を販売するサービスを行います。
6. 離島への供給：九州地方の離島への電気供給も行っており、内燃力発電所や水力発電所を有しています。

拠点と設備

福岡市に本社を置き、九州の各県に支社を展開しています。また、各支社には地域別の配電所もあり、充実した運営体制を整えています。2024年3月31日には、送電設備が11,240 km、654の変電所、174,268 kmの配電設備が整備されていることがわかっています。

歴史と沿革

九州電力は1951年に設立され、その後数十年にわたり電気事業の基盤を築いてきました。特に1960年には九州全土の電気周波数を60 Hzに統一し、その後も再生可能エネルギーの導入を進めてきました。2013年からの電力システム改革に伴い、送配電事業が独立した形で運営されるようになり、2020年に現在の姿が確立されました。

近年の動向

最近では、スマートメーターの導入が進んでおり、2024年までに全電力量計をスマートメーターに置き換える計画が進行中です。また、業務改善命令が出されるなど、コンプライアンスの強化が求められています。

結論

九州電力送配電株式会社は、地域の電力供給を支える重要な役割を果たしており、法令遵守や効率的な運営が問われている現代の電力業界で、中立的な立場からサービスを提供し続けています。これからの電力システム改革においても、その役割がさらに重要になることでしょう。

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