九州電気軌道100形電車

九州電気軌道100形電車

九州電気軌道100形電車は、北九州線向けに1935年から1936年にかけて製造された路面電車です。これは、現在の西日本鉄道が所有していたもので、全17両が登場しました。半鋼製車体を持つボギー車として設計され、そのデザインは先に導入された66形に似ていました。

100形の特徴

100形電車は、前面が3枚窓のデザインで、車体両端には乗降扉が設けられていました。初期のモデルでは引戸が使用されていましたが、1952年から1953年にかけて自動ドアの折戸式に変更されました。また、1966年以降、内装の更新も行われました。100形は、80形から改称された車両と同じ番号が付けられたため、これが2代目に当たります。

製造は日本車輌製造と汽車製造が行い、それぞれ異なる台車が使われました。日本車輌製造が製造した車両にはC-10形、日本車輌製造の7両にはLH形が適用され、後者は軽量化に成功しました。100形は1972年から1976年にかけて、時代の流れに伴い全車両が廃車となりました。

118形の追加

118形は、北九州線の輸送力増強のために、1938年から1939年にかけて製造された20両の型式です。外観は流線形が取り入れられ、デザインが100形から大きく洗練されました。さらに、乗降扉は非対称に配置され、乗客密度の平均化が図られました。

この形式も日本車輌製造と汽車製造により製造されましたが、製造時には前照灯が屋根上に取り付けられた他、台車も新しいものが導入されました。第二次世界大戦後には、一部の車両が福岡市内線に転属し、仕様が変更されることになりました。しかし、1952年には再び北九州線に戻され、従来の番号も復元されました。

138形のエピソード

138形は1940年から1941年に製造された20両の形式で、118形のデザインを踏襲しながらも、乗降扉は両端に設置され、ドアエンジンは搭載されないという簡素な仕様でした。戦後、特に一部の車両は進駐軍の専用車両として使われることがありました。

1952年からは乗降扉の改修が施され、1961年頃以降は車内も近代化が進みましたが、すべての車両に適用されたわけではありません。全体的なアップグレードの後、138形も1985年まで運用されていましたが、北九州線の部分廃止に伴い、同年11月1日に全車両が廃車されました。

保存状況

138形の一部は特に注目されており、148号は1986年に北九州市に譲渡され、現地の交通科学館で静態保存されることになりました。2004年の閉館後も、移設されるものであり、戦後塗装で展示されるなどし、地域の人々に愛される存在となっています。

九州電気軌道の電車たちは、北九州の交通史に残る重要な役割を果たした存在であり、その技術やデザインが当時の社会に与えた影響は計り知れません。彼らの歴史的な遺産が、今後も多くの人に親しまれることを願っています。

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