九所御霊天神社

九所御霊天神社：歴史と文化が息づく姫路の神社

兵庫県姫路市大善町に位置する九所御霊天神社は、神屋天神社、市之郷天神、松本天神といった様々な呼び名でも親しまれています。境内には本殿の他に、複数の摂末社が祀られており、歴史と文化が深く根付いた神社として知られています。

創建から近世、そして現代へ

天正年間(1573年～1592年)には五柱の神々が祀られていましたが、近世に入ると、少彦名命を含めた九柱の神々が祀られるようになりました。この九柱の神々への崇敬は、地域の信仰の深さを物語っています。

神社の象徴的な存在である石造の大鳥居は、元治元年(1864年)4月に、御国産江戸積仲間の寄進によって建立されました。鳥居には「市別府」(旧飾磨市)の文字が刻まれ、地域の繋がりを示しています。また、境内にある玉垣には、江戸産物会所や東北地方(羽州、最上、庄内酒田、奥州、仙台など)の商人、そして姫路藩大年寄六人衆である山本佐七郎や内海荘右衛門といった著名な人物たちの名前が刻まれています。これらの銘文は、幕末期の姫路における綿花流通という重要な経済活動を理解する上で、貴重な歴史的史料となっています。

興味深いことに、戦前は落語家桂米朝氏の実家であり、桂米朝氏の祖父と父は神職を務めていました。米朝氏自身も禰宜を務めた経験があり、神社と米朝氏との繋がりは深く、現代にもその歴史が受け継がれています。

祀られている神々

九所御霊天神社には、以下の九柱の神々が祀られています。

少彦名命
大山祇神
経津主神
菅原道真
大物主神
猿田彦神
柿本人麻呂
誉田別命
大鷦鷯命

それぞれの神々は、古来より人々の生活や自然と深く関わっており、氏子の信仰を集めてきました。

境内摂末社

本殿の他に、境内には以下の摂末社が祀られています。

八幡社: 伊弉諾大神、天照大御神、大己貴神、猿田彦神、誉田別神、豊受大神、奥津彦神、奥津姫神、埴山姫神
稲荷社: 加茂居稲荷神、白髭稲荷神、秀高稲荷神、蒼稲魂神、畑稲荷神、福富稲荷神
厳島社(弁天社): 市杵島姫神
大年社: 大年神

これらの摂末社も、地域の人々の信仰を集め、神社全体の文化的価値を高めています。

アクセス

JR播但線京口駅から徒歩約10分と、アクセスも良好です。歴史と文化に触れたい方は、ぜひ一度足を運んでみてください。

参考文献

現地説明板

関連項目

[桂米朝]：米朝氏の実家で、父親がこの神社の神主を務めていた。米朝氏自身は神主の仮免状を取得している。

外部リンク

* 九所御霊天神社 - 公式サイト

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