禰宜

禰宜（ねぎ）についての解説

禰宜（ねぎ）は、日本の神社における神職の一つで、現在では宮司の作業を支える重要な役割を果たしています。さらに、権禰宜よりも上位に位置付けられるこの職名は、一般的には「祢宜」とも表記されます。

禰宜の語源と歴史

禰宜という言葉の起源は、古語の「ねぐ」に由来しています。この語には「和ませる」という意味が含まれ、神の心を和らげることでその加護を願うという深い意義があります。古代においては、禰宜は神々に祈願を捧げ、祭祀に専念する存在を指しました。

古制においては、神主の下位に位置しつつも、祝（ほうり）の上位に置かれていました。また、神職全般を指す言葉としても使用されていました。特に賀茂神社、松尾社、日吉社、平野社などでは、禰宜が第一の神職とされていました。香取神宮や鹿島神宮においては、大禰宜という職位がその上に位置しています。

明治時代に入ると、伊勢神宮や官国幣社に禰宜の職責が設けられ、戦後には全ての神社にこの職が存在する制度が確立されました。これにより、現代の神社システムにおける禰宜の重要性が強調されることとなりました。

禰宜の役割

禰宜は年齢的に一定の成熟度を持ち、豊富な知識と経験を兼ね備えた神職であることが求められます。このような背景から、祭祀において禰宜はしばしば重要な役割を担います。その活動には神事の準備や、祭りの進行、さらには神社の管理など多岐にわたります。

特に、禰宜の役割は、神社のコミュニティにおいて非常に重要です。神社を訪れた人々への接遇や、供え物の準備、そして研究や学問を通じて神社の伝統を受け継いで行くことが求められます。

禰宜山伏とその文化

禰宜に関連する文化として有名なのは「禰宜山伏」という狂言です。この作品では、伊勢の御師（禰宜）と羽黒山の修験者である山伏が祈祷競争を繰り広げ、その中で祭神である大黒天が、性格が穏やかな禰宜に引かれていく様子が描かれています。この物語は、禰宜が持つ精神性や、神々との深い結びつきを象徴的に表現しています。

参考文献

• - 『神道行法の本―日本の霊統を貫く神祇奉祭の秘事』 学研〈ブックス・エソテリカ〉、2005年。

ISBN 9784056037753

関連事項

• - 神職：神社に勤務する職業の総称。
• - 禰宜町：青森県弘前市の地名。過去に多くの八幡宮の禰宜や神官が住んでいたことから名付けられた。
• - 七十一番職人歌合：この歌合の六十二番で禰宜が詠まれています。

禰宜という職は、伝統的な神社文化の中で大きな役割を果たしており、今もなおその重要性が保たれています。

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