乱丸

乱丸は、日本の漫画家であり、特に1980年代後半から1990年代初頭にかけて、『わんぱっくコミック』（徳間書店）を中心に活躍しました。彼の名を知らしめたのは、ゲームのコミカライズ作品であり、中でも「ゼルダの伝説」と「リンクの冒険」は代表作として広く知られています。

これらの作品は、原作ゲームの世界観を忠実に再現しつつ、漫画ならではの表現やアレンジが加えられ、多くの読者を魅了しました。特に、ゲームの攻略情報を盛り込んだ「必勝テクニック完ペキ版」などのアンソロジーコミックでは、ゲームファンからの支持を集めました。

乱丸の作風は、師である横山光輝、和田慎二の影響を強く受けています。横山光輝のアシスタント時代には、その作風を間近で学び、自身の作品にも取り入れています。例えば、代表作の一つである「リンクの冒険」の中で、横山光輝の代表作『伊賀の影丸』に登場する忍術「木の葉隠れの術」をパロディとして使用するなど、遊び心も垣間見えます。

また、和田慎二のアシスタント経験も、乱丸の作風に大きな影響を与えています。和田慎二の描くキャラクターの繊細な表情や、ドラマチックなストーリー展開は、乱丸の作品にも受け継がれています。

乱丸の作品は、単行本として刊行されているものもありますが、一部の作品は未収録となっています。例えば、「リンクの冒険」は全2巻で刊行されましたが、『わんぱっくコミック』1988年2月号から8月号に掲載された最終話は収録されていません。また、「土井中中学UFO倶楽部」は、『わんぱっくコミック』1988年12月号から1989年1月号に掲載されましたが、単行本化はされていません。

乱丸は、ゲームコミカライズ作品以外にも、学習漫画も手掛けています。「まんが中学世界史202―高校入試をラクラク突破!」（学研、1991年刊）は、中学世界史をわかりやすく解説した学習漫画であり、受験生から支持を集めました。

乱丸の作品は、現在では入手困難なものも多いですが、その独特な作風と、ゲーム愛に溢れた表現は、多くのファンを魅了し続けています。彼の作品は、日本の漫画史におけるゲームコミカライズの先駆けとして、重要な位置を占めています。

作品リスト

ゼルダの伝説（わんぱっくコミック、徳間書店、全1巻）
リンクの冒険（わんぱっくコミック、徳間書店、全2巻(1988年2月号～8月号(最終話)分は未収録)）
土井中中学UFO倶楽部（わんぱっくコミック1988年12月号～1989年1月号、単行本未収録）
まんが中学世界史202―高校入試をラクラク突破!（学研、1991年刊）
ほか、『わんぱっくコミック』の「必勝テクニック完ペキ版」等のゲームアンソロジーにてゲームのコミカライズ漫画をいくつか執筆。

師匠

横山光輝
* 和田慎二

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