乱菊物語

谷崎潤一郎の未完の傑作『乱菊物語』

『乱菊物語』は、谷崎潤一郎によって1930年（昭和5年）に『朝日新聞』で連載された小説です。物語の舞台は室町時代末期の室津。海龍王と自称する若武者の活躍を中心に、浪漫あふれる世界が描かれています。しかし、残念ながら作品は未完のまま終わってしまいました。

映画化

1956年には谷口千吉監督によって映画化されました。特筆すべきは、特殊技術を円谷英二が担当した点です。円谷英二は、後のウルトラマンシリーズなどで知られる特撮の神様であり、本作でもその才能を如何なく発揮しています。映画はモノクロ、スタンダードサイズで制作され、原作の持つ幻想的な雰囲気を映像で表現しました。

映画スタッフ

映画の製作を支えた主なスタッフは以下の通りです。

監督: 谷口千吉
脚色: 八住利雄
原作: 谷崎潤一郎
製作: 田中友幸
撮影: 飯村正
美術: 北猛夫、阿久根巖
音楽: 団伊玖磨
特殊技術: 円谷英二、東宝技術部

映画キャスト

個性豊かな登場人物を演じたキャストも魅力的です。

海龍王: 池部良
陽炎: 八千草薫
赤松上総介: 小堀明男
藤原釜足
上田吉二郎

参考文献

『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸、東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5。
『円谷英二特撮世界』勁文社、2001年8月10日。ISBN 4-7669-3848-8。
東宝ゴジラ会『特撮 円谷組 ゴジラと東宝特撮にかけた青春』洋泉社、2010年10月9日。ISBN 978-4-86248-622-6。

外部リンク

乱菊物語 - allcinema
乱菊物語 - 日[[本映画データベース]]
* 乱菊物語 - KINENOTE

『乱菊物語』は、小説としては未完であるものの、映画化によってその世界観に触れることができます。円谷英二による特殊技術は、今見ても色褪せない魅力があります。ぜひ一度、谷崎潤一郎の描く幻想的な世界を体験してみてください。

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