乾いて候

『乾いて候』の概要

『乾いて候』（かわいてそうろう）は、小池一夫が作・原作した時代小説で、劇画やテレビドラマ、舞台作品としても知られています。この作品の主人公は腕下主丞（かいなげ もんど）で、彼は将軍徳川吉宗のお毒味役を務める剣士です。しかし、彼の背景は非常に複雑で、実は吉宗の隠し子として捨てられた過去を持ち、様々な陰謀に巻き込まれながら真実を求めて戦う物語が展開されます。

あらすじ

物語は、腕下主丞が敵に囲まれながらも、吉宗の命を狙う尾張藩の刺客や甲賀忍者を巧妙に斬り倒していく姿から始まります。表向きは吉宗の警護役としての務めを全うしつつ、彼の隠された過去や家族との複雑な関係が物語を色濃くしています。正義感にあふれる彼の姿勢は、観客にも感情移入をもたらし、時代劇ならではの緊迫感が伝わります。

劇画版

『乾いて候』は小島剛夕によって劇画化され、双葉社を経てスタジオ・シップから販売されましたが、現在は絶版です。それでも、Yahoo!コミックやeBookJapanといったプラットフォームで電子書籍として再び読むことができます。劇画では、主人公の成長や葛藤、華麗な剣技が強調され、視覚的にも楽しませてくれます。

テレビドラマ

1983年と1984年にはフジテレビでこの物語がドラマ化されました。初回放送『お毒味役主丞 乾いて候』は1983年6月17日に放送され、ドラマの出来栄えが非常に好評だったため、1984年には連続ドラマとして放送されました。主要キャストには田村正和や田村高廣、特長的なキャラクターやストーリー展開が魅力で、脚本には多くのユーモアや意外性が加えられています。特に、吉宗を「権力ボケだが憎めない馬鹿殿」として描くことで、視聴者に新たな視点を提供しました。

舞台展開

この作品は舞台にも展開し、1987年から1993年にかけて行われました。特に田村正和はこの役を数回演じ、多くの観客に感動を与えました。舞台では、キャストの熱演とともに、観客との距離が近く、物語の展開をリアルに感じることができます。

近年の展開

1993年には、再び特別ドラマとして制作され、鋭い演出と共に新たな視点から物語が掘り下げられました。「母は生きていた!?その背後に潜む陰謀」という斬新なタイトルが、視聴者の興味を引く要素となりました。

まとめ

『乾いて候』は、時代小説としてだけでなく、劇画、テレビドラマ、舞台と多様なメディアで展開され、多くの人々に愛されてきた作品です。主人公の複雑な過去や、時代の波に翻弄される彼の姿勢は、古き良き日本の時代劇の中でも特に印象的な印象を残します。

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