乾信武

乾 信武（いぬい のぶたけ）

乾信武は、土佐藩に仕官した藩士であり、家禄は300石を持っていました。彼は板垣退助の祖父としても知られており、土佐の奇人としても名を馳せていました。

来歴

乾信武は1778年、現在の高知県高知城下中島町にて、土佐藩士の長男として誕生しました。彼の父は乾丈右衛門正聰で、母は林藤左衛門勝周の娘です。信武は幼い頃には鹿次郎という名前で呼ばれていましたが、成長するに従って諱（いみな）を信武とし、字（あざな）を左近兵衛と名乗り、その後庄右衛門に改めました。

信武は、1786年に藩主山内豊雍に謁見する機会を得て、彼の政治的なキャリアが始まります。1798年には、火消しの任務を任され、地域の安全を守る役割を果たしました。1806年には父の跡を継ぐことが認められ、同年、従六位に叙されました。

また、文化5年には、藤並大明神の御宮が建設される際に寄付を行い、その功績が認められて藩主から感謝の言葉を受けています。文化7年には江戸詰めの任務に就任し、その後も尽力を重ねていましたが、1810年に33歳という若さで逝去されました。

墓所

信武は江戸にて亡くなったため、品川の東海寺に埋葬され、その墓所が現在も存在しています。また、土佐薊野にある家族の墓所にも、同じ形の墓石が建立されています。

家族

信武の家族構成は、祖父の乾直建、祖母の安積彦之進との関係を持ち、父の乾正聰、母は林藤左衛門勝周の娘です。彼自身は谷村久之丞自熈の娘と結婚し、二人の間には長男の乾正成が生まれました。信武の孫には、板垣退助伯爵や、急逝した乾久馬、智祥院の名を持つ孫娘がいます。また、信武には数人の兄弟や姉妹もおり、弟の信照は後に養子に出される運命を辿ります。

補註

信武に関する研究は多く、様々な文献があります。特に『土佐史談』や『板垣退助君傳記』といった書籍には、彼の生涯とその影響について詳しく記されています。また、板垣退助を称える団体が編纂した『板垣精神』にも、その業績が紹介されています。

信武は短命であったものの、彼が残した功績は忘れられることなく、後世に語り継がれています。

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