乾化

乾化（けんか）は、五代時代の最初の王朝である後梁において、初代皇帝である太祖・朱全忠（しゅぜんちゅう）と、第3代皇帝である末帝・朱友貞（しゅゆうてい）の治世で使用された年号です。その期間は、911年5月から913年1月、そして913年2月から915年10月までとなっています。

改元の経緯

913年1月、異変が起こります。帝位を簒奪（さんだつ）した第2代皇帝、朱友珪（しゅゆうけい）が鳳暦（ほうれき）へと改元したのです。しかし、その支配は長くは続きませんでした。同年2月、朱友珪は殺害され、その跡を継いで第3代皇帝として朱友貞が即位します。朱友貞は即位すると、直ちに元号を乾化に戻しました。

この短い期間の改元劇は、後梁の政治情勢の不安定さを如実に示しています。簒奪、暗殺、そして元号の変更という一連の出来事は、王朝の権力闘争の激しさを物語っています。

乾化の期間

乾化という年号は、後梁の歴史において重要な意味を持っています。太祖・朱全忠の時代に始まり、一時的な中断を挟みながらも、末帝・朱友貞の時代まで使用されました。この年号が使用された期間は、後梁という王朝の盛衰を象徴していると言えるでしょう。

乾化元年: 911年
鳳暦元年: 913年（短期間）
乾化3年: 915年

資料

これらの出来事は、『旧五代史』や『資治通鑑』といった歴史書に記録されています。

『旧五代史』巻6 梁書6 本紀第6 太祖本紀6 には、開平5年を乾化元年と改元したこと、そして大赦を行ったことが記されています。
『旧五代史』巻8 梁書8 本紀第8 末帝本紀上 には、朱友貞が即位し、朱友珪の鳳暦を廃止して乾化3年と称したことが記されています。
『資治通鑑』卷268 後梁紀3 太祖神武元聖孝皇帝下乾化三年 には、朱友貞が大梁で即位し、再び乾化3年と称したこと、朱友珪を庶民に落とし、博王友文の官爵を回復したことが記されています。

これらの記述から、乾化という年号が後梁の歴史において重要な意味を持っていたことがわかります。また、元号の変更が政治的な出来事と密接に関わっていたことも理解できます。

乾化は、五代十国時代の幕開けを告げる年号の一つとして、歴史にその名を刻んでいます。

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