乾坤弓

乾坤弓について

乾坤弓（けんこんきゅう）は、中国古代の神怪小説『封神演義』に登場する非常に影響力のある神器です。この弓は、伝説の皇帝である黄帝が、蚩尤を討伐するために用いたとされています。後に、陳塘関においてその宝としての伝承が広まりました。

概要

起源

乾坤弓は、黄帝が泰山の南に位置する烏号の柘の木、燕牛の角、荊麋の弭、河魚の膠を材料として手掛けたと言われています。これだけでも、その特異な製作背景を示していますが、この弓に込められた力は計り知れません。

機能

乾坤弓は、専用の矢「震天箭」とのセットで使用されます。震天箭は3本あり、乾坤弓で放たれると、目標に向けて命中するまで飛び続ける特性を持っています。このため、弓の能力は「必中属性」と表され、射手にとっては非常に頼もしい武器となります。

霊力

この弓の使用には特別な条件があります。黄帝の血脈を持つ者のみがその力を引き出せるとされており、特に哪吒はこの弓の力を継承した人物として知られています。

来歴

乾坤弓の歴史は、非常に興味深いものです。

上古時代

上古時代、黄帝は蚩尤軍を撃破した際に「三箭で敵陣を崩壊させた」と伝えられています。この弓と震天箭のコンビネーションは、古代の戦争において非常に大きな影響を与えたのです。

商朝

商朝の時代には、陳塘関の総兵である李靖がこの乾坤弓を保管していました。彼は城楼に弓を安置し、長い間、誰もその弓を引き絞ることができなかったという伝説があります。おそらく、その力を秘すべきものと考えられていたのでしょう。

哪吒の事件

修行中の哪吒は、乾坤弓を使って試し撃ちを行ったことがありました。この際、震天箭が意図せず千里離れた碧雲童子を命中させてしまいます。この出来事が石磯娘娘との抗争の引き金となり、その後の物語を大きく動かすことになりました。

特徴

乾坤弓はその由来や背景において、非常に象徴的な存在と言えます。神話や伝説の登場人物たちと密接に関連し、彼らの物語を通じてその価値が示されます。

登場作品

乾坤弓は、主に『封神演義』の第12回から第13回に登場します。さらに、1979年のアニメ『哪吒鬧海』や小説『西遊記』に関連する解釈書でも触れられています、その中で天蓬元帥の副武器としての役割が語られることもあります。

関連項目

乾坤弓と同様に、中国の伝説には「軒轅剣」と呼ばれる他の重要な武器も存在します。このように、乾坤弓は古代中国の文化や神話において、特別な位置を占めています。

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