亀井茲政

亀井茲政の生涯と業績

亀井茲政（かめい これまさ）は、石見津和野藩の第2代藩主であり、津和野藩亀井家の3代目となる重要な人物です。彼は元和3年（1617年）に初代藩主亀井政矩の次男として因幡鹿野に生を受けました。彼の人生は、父の死後に劇的に変わります。元和5年（1619年）、茲政がわずか3歳の時、父が亡くなりました。当時、家督相続が行われる際には一般的に15歳以上の若者が求められる時代でしたが、茲政の生母である光明院が、藩の存続を懸けて彼の年齢を改竄して15歳とし、家督相続の嘆願を幕府に行いました。そのため、徳川秀忠の許可を得て藩主の地位を手に入れることができたのです。光明院が徳川譜代の家臣である松平康重の娘であることも、彼女の行動が功を奏した一因と考えられています。

藩主となった亀井茲政は、若くして藩の主導権を巡る重臣たちの抗争に直面しました。この不安定な状況下、彼は幕府の信任を受けていた多胡真清を執政に迎え入れ、藩内の家臣団の再編成に着手しました。寛永14年（1637年）には徹底した検地が実施され、藩の基盤が固められました。こうした取り組みは、藩の発展に寄与するものでした。

しかし、藩政を運営していく中で、茲政は多くの幕命を受けることとなり、その中には財政に大きな影響を及ぼすものも多く含まれていました。彼は寛永19年（1642年）から16年間にわたる火消役、中国地方や京へ向けた勅使接待役、神田門番役など重要な役職を歴任しました。それに伴う支出が藩の財政に重くのしかかり、茲政は苦境に立たされました。

延宝7年（1679年）には豊前守に遷任し、さらなる事務を担当することになりますが、同時に藩の運営には不断の努力が求められました。延宝8年（1680年）12月18日、茲政は津和野において亡くなりました。享年は64歳でした。藩は彼の三男、茲親が受け継ぎ、茲政の遺志を引き継ぐこととなりました。

亀井茲政の生涯は、厳しい環境の中でも藩を支えるために尽力した名君として評価されています。彼が行った数々の改革や取り組みは、津和野藩の歴史において重要な役割を果たすことになりました。

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