亀塚古墳群 (錦町)

亀塚古墳群

亀塚古墳群（かめづかこふんぐん）は、熊本県球磨郡錦町西に位置する貴重な古墳群で、地域の歴史的な価値を示す重要な史跡です。この古墳群は、前方後円墳の形状をもつ3基の古墳から構成されており、人吉・球磨地方では唯一の前方後円墳として知られています。また、熊本県に存在する前方後円墳としては南端に位置しています。

古墳の概要

この古墳群は九州山地から続く台地の北縁に築かれていますが、各古墳の築造時期についての詳しい情報は現在のところ分かっていません。出土品も明らかではなく、古墳の歴史的背景を探る上ではまだ多くの謎が残されています。

1号墳は北側に位置し、墳丘の長さは約45メートル、後円部の直径は約23メートルです。この古墳の主軸は南北方向に設定されており、前方部は北を向いています。出土品として直刀や鐙、土器が伝わっていますが、現在その遺物は所在不明となっています。1976年（昭和51年）には熊本県の指定史跡に選定され、その保護と研究が進められています。

2号墳は古墳群の西側に位置し、墳丘の長さは約45メートル、後円部の直径は約30メートルです。この古墳も主軸を南北方向に設定し、北を前方として構築されています。1989年（平成元年）には錦町の指定史跡に指定され、地域の文化財として重要視されています。

3号墳は古墳群の南側にあり、墳丘の長さは約50メートルで、後円部の直径は約25メートルです。この古墳は主軸を東西方向に向けており、前方部は西側を向いて築かれています。現在、3号墳はくびれ部で分断されており、その形状も興味深いものとなっています。

文化財としての重要性

亀塚古墳群は、熊本県内外の歴史愛好者や考古学者にとっての注目の的であり、地域の過去を紐解く手がかりとなる文化財としての役割があります。古墳群の中でも特に1号墳と2号墳は指定史跡に認定されており、それぞれの古墳の保存状態や研究の進展が期待されています。

参考資料

古墳群の詳細な理解には、様々な文献や資料が役立ちます。熊本県教育委員会が設置した史跡説明板や、熊本県の地名に関する書籍、また日本古墳大辞典などからの情報が、亀塚古墳群の研究や歴史的背景の把握に寄与しています。それらの情報を通じて、古墳群が持つ文化的意義や地域に対する影響を探求することができます。

このように、亀塚古墳群は熊本県の歴史の一端を担う存在であり、その保存や研究は地域にとって重要な課題です。古墳群を訪れることで、その歴史を肌で感じることができるでしょう。

もう一度検索