亀田博

亀田博：地方自治に尽力した官僚・政治家の軌跡

亀田博（かめだ ひろし、1937年1月5日生まれ）は、日本の自治官僚、そして政治家として、そのキャリアを地方自治の発展に捧げました。彼は山口県下関市長を1期、さらに下関市議会議員を5期にわたり務め、地域社会に貢献しました。

生い立ちと官僚としてのキャリア

下関市出身の亀田博は、1959年に九州大学法学部を卒業後、1963年に自治省に入省しました。その後、鳥取県総務部長、自治省財政局指導課長、徳島県副知事、消防大学校校長など、数々の要職を歴任し、1987年に自治省を退官しました。

退官後も、地方債協会常務理事、地域総合整備財団常務理事などの職を通じて、地方自治の振興に尽力しました。

下関市長、そして市議会議員へ

1991年、亀田博は下関市長選挙に出馬し、現職の泉田芳次らを破り初当選を果たしました。しかし、1995年の市長選挙では新人の江島潔に敗れ、再選はなりませんでした。1999年にも再び市長選に挑みましたが、現職の江島潔に及ばず落選しました。

その後、2003年の下関市議会議員選挙に出馬し、見事トップ当選を果たしました。その後も、2007年、2011年、2015年、2019年と連続当選し、5期にわたり市議会議員を務めました。市長経験者が落選後、市議会議員に転身するという、全国的に見ても珍しい経歴の持ち主です。

日韓高速船事業を巡る問題

亀田博の市長時代には、泉田芳次前市長時代に計画・設立された第三セクターによる日韓高速船事業が引き継がれました。1991年7月に運航が開始されたものの、経営不振により開設から約1年半後の1992年12月に休業、そのまま廃業となりました。この事業の失敗により、下関市は多額の損失を抱えることとなり、その責任を巡って住民訴訟が起こされました。

住民訴訟では、亀田博個人が被告となり、1審では全面敗訴、8億4500万円全額の弁済を命じられました。その後、控訴審、上告審を経て、2005年の最高裁判決で最終的に弁済義務は免れましたが、判決文には「（市長が）裁量権を逸脱し、又は濫用したものと断ずべき程度に不合理なものであるということはできない」と記され、市長としての判断に疑問が呈されました。

現在

現在は、下関市議会議員、下関市監査委員、自由民主党下関支部常任相談役を務めています。

受勲

2024年春の受勲で旭日中綬章が授与されることが決定しました。

参考文献

『新訂 現代政治家人名事典 : 中央・地方の政治家4000人』日外アソシエーツ、2005年。

外部リンク

亀田博（自由民主党下関支部）

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