亀田次郎

亀田次郎について

亀田次郎（かめだ じろう）は、1876年9月11日に兵庫県印南郡曽根村（現在の高砂市曽根町）で生まれた国語学者です。彼は1944年2月8日に69歳でその生涯を閉じました。亀田は学者としてだけでなく、彼の独特な性格でも知られています。彼の家族は、父・猪之介、母・チヨで、母方の祖父は幕末に成功を収めた亀田五一郎であると言われています。

学歴とキャリア

亀田次郎は大阪尋常中学校を卒業後、熊本の第五高等学校へ進み、さらに東京帝国大学文学部に入学しました。大学を卒業すると、彼は恩師である上田萬年が主事として運営していた国語調査委員会に嘱託として勤務しました。ここでは、友人の新村出とともに『音韻分布図』を著作しました。このように、彼の学問への貢献は始まったのです。

1908年には山形県にある七高へ赴任し、同僚には山田準、武藤長平、伊波普猷などの著名な学者が名を連ねていました。その後、大阪外国語学校や大谷大学でも教授として教鞭を執りながら、書誌研究や地域に関する研究なども継続しました。1943年には大谷大学を退官し、故郷の曽根村に戻りましたが、間もなくして亡くなりました。

性格とエピソード

亀田は直言を好み、飾り気のない性格でした。彼は自らの意見をはっきりと表現し、時には周囲の人々を驚かせていました。これは師である上田萬年との関係にも現れており、周囲の人々は亀田を距離を置くように配慮していたとされています。国語学者の山田孝雄によると、その結果、亀田は学界から孤立してしまったといいます。

また、彼の言動には逸話も多く、ある晩、亀田が帰宅する途中で人力車の車夫が酒をせびった際、彼はためらうことなく太いステッキで車夫をたたいて逃げたというエピソードがあります。この話を聞いたフランス文学者の佐藤良雄は、亀田を「我が儘な強気の奇行家」と称して記憶しています。

主な著作

亀田次郎は多数の著作を残しました。以下はその一部です：

• - 『国語学概論』博文館、1909年。
• - 『平野庸脩翁伝』印南郡三治協会、1917年。
• - 『山片蟠桃翁の事蹟』印南郡三治協会、1919年。
• - 『児島範長墳墓考』亀田次郎、1921年。
• - 『韻鏡書類陳列目録』静安学社、1930年。
• - 『国語学書目解題』明治書院、1933年。
• - 『山片蟠桃』全国書房、1943年。
• - 雨宮尚治編『西洋人の日本語研究 亀田次郎先生の遺稿』風間書房、1973年。

共著としては、亀田次郎と多屋頼俊による『日本文法綱要』があります。彼の成果や研究は、今でも国語学の基礎として受け継がれています。

まとめ

亀田次郎の学問的な貢献は、日本語研究の発展に寄与しました。彼の直言と独特な人間性は多くの人に愛され、また、学界から孤立してしまったことは、彼の純粋な性格の表れでもあったと言えるでしょう。彼の著作や足跡は、今なお国語学の重要な参考として認識されています。

もう一度検索