予告ホームラン

予告ホームラン：伝説と記憶に残る名場面

予告ホームランとは、野球において打者が打席に立つ前に、本塁打（ホームラン）を打つことを宣言し、実際にその通りに打った場合に用いられる言葉です。これは単なる偶然ではなく、打者の自信、挑発、あるいは観客を盛り上げるためのパフォーマンスとして解釈されます。ここでは、国内外の野球史に残る予告ホームランの事例をいくつか紹介します。

メジャーリーグベースボール（MLB）における伝説

最も有名な予告ホームランの事例として、1932年10月1日のワールドシリーズ第3戦におけるベーブ・ルースのものが挙げられます。第2打席でルースが外野方向を指差し、その後本塁打を放ったという逸話は、伝説として語り継がれています。ただし、この行為が本当に予告であったかどうかについては議論があり、様々な解釈が存在します。

また、1934年11月26日に行われた日米野球の試合でも、ベーブ・ルースが同様の行為をしています。7回の米軍の攻撃時、ルースは3球見送ってボールが3つとなった後、ライト方向を指差しました。そして、次の一球を本当にライト方向へホームランを打ったとされています。このパフォーマンスは、観客を大いに沸かせました。

日本プロ野球（NPB）における事例

日本のプロ野球でも、いくつかの印象的な予告ホームランの事例があります。

1989年9月16日、オリックス・ブレーブス対近鉄バファローズの試合（藤井寺球場）での出来事です。オリックスのブーマー・ウェルズは、5回の打席で近鉄の佐々木修投手の投球が頭部付近を通過したことに激怒し、バットでレフトスタンドを指し示しました。その直後、彼は見事に本塁打を放ち、観客を驚かせました。

2004年7月11日のオールスターゲーム第2戦（長野オリンピックスタジアム）では、北海道日本ハムファイターズの新庄剛志が初回に先頭打者として打席に入りました。彼は人差し指を左中間方向へ向け、スタンドを大いに沸かせました。しかし、直後にセーフティバントを試みて失敗に終わり、観客を大いに落胆させました。新庄剛志のこのパフォーマンスは、予告ホームランとは少し異なりますが、観客を盛り上げるエンターテイメント性という意味では共通点があります。

予告ホームランの意義

予告ホームランは、単なる偶然や実力だけでなく、打者のパフォーマンスや観客との一体感を生み出す要素を含んでいます。成功すれば伝説となり、失敗しても話題となる、野球のエンターテイメント性を象徴する出来事と言えるでしょう。ただし、相手チームへの挑発と捉えられる場合もあり、スポーツマンシップに則った行動が求められます。

近年では、SNSなどを通じて、選手とファンとの距離が近くなっています。そのため、今後も新たな形の予告ホームランが登場するかもしれません。

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