藤井寺球場

藤井寺球場について

藤井寺球場（ふじいでらきゅうじょう）は、大阪府藤井寺市にあった歴史ある野球場です。近畿日本鉄道（近鉄）の関連会社が所有し、長年にわたり様々な記憶や熱戦の舞台となりましたが、2005年1月に閉鎖し、2006年に解体されました。

概要

藤井寺球場は、1925年にその構想が始まり、1928年に竣工しました。開場当時、その広さは約18,000坪（約59,504m²）で、甲子園球場を上回る規模を誇っていました。収容人数は約7万人に達し、両翼を含む内野席は大鉄傘で覆われていました。このスタジアムは、アマチュア野球やプロ野球の試合が開催され、数々の激闘の舞台となりました。

歴史

藤井寺球場は、かつてアマチュア野球と全国中等学校優勝野球大会の地方大会が行われていましたが、1946年にプロ野球公式戦が初めて開催されました。特に、1946年5月3日に行われた大阪タイガース対東京巨人軍の試合は、戦後初の伝統の一戦として記憶に残っています。近鉄は1949年に自前の球団を設立し、1950年からその本拠地となりました。

近鉄パールスの本拠地

1950年代から1970年代にかけて、藤井寺球場は近鉄パールスの本拠地として活躍しました。しかし、ナイター設備が未設置だったため、平日の試合は主に大阪スタヂアムや日本生命球場で行われることが多く、実質的なホームスタジアムではない時期もありました。

1973年からは大規模な改修が計画され、ナイター設備の設置が望まれましたが、周辺住民の反発により工事が中断されることも。1984年にはナイター設備が完成し、ようやく本拠地としての機能を発揮し始めました。1985年には大規模なリニューアルが行われ、「バファローズ・スタジアム」という愛称が付けられました。

日本シリーズとアマチュア大会

1989年には日本シリーズも開催され、近鉄は巨人と対戦。この試合では2連勝した後、残念ながら全敗となりました。また、藤井寺球場ではアマチュア野球やソフトボールの重要な大会も行われ、特に全国高等学校優勝野球大会の大阪大会の会場としても知られていました。

閉鎖と跡地利用

プロ野球再編問題に直面し、近鉄は2005年に藤井寺球場の閉鎖を決定。最終試合は2004年のウエスタン・リーグ優勝決定戦でした。閉鎖後、跡地は四天王寺学園が小学校として利用され、その後さらに中学校や高等学校が開校されました。残りの敷地はマンションに生まれ変わりました。

藤井寺球場は、約77年間の歴史を経て閉場しましたが、地域のスポーツ文化に多大な影響を与えた場所として、多くの人々の記憶に残っています。

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