予後

予後（よご）とは

予後（英: prognosis、独: Genesung；Prognose）は、患者の治療後の健康状態や、病気または創傷の将来に関する見込みを指す医学用語です。この用語は、医療のさまざまな場面で重要な役割を果たしており、疾患の経過や治療の効果を判断するための基礎となります。

予後の意味

「予後」とは、予想される医療的な状態に対する経験に基づいた見解を意味します。一例として、「予後良好」といえば患者の健康状態に対する見通しがよいことを示し、逆に「予後不良」は見通しが悪いことを表します。また、「予後比較的良好」という表現は、他の同種疾患と比較した際に良好であることを示唆します。

予後の種類

予後の評価は、疾患や状態によって異なります。たとえば、進行した悪性のがんや末期がんでは「生存期間」が主な焦点になることが多く、精神疾患においては「社会復帰の可能性」が重要な判断基準になります。

すべての疾患について同じ観点から評価されるわけではなく、さまざまな側面から予後が判断されます。生存に関する場合は「生命予後」、後遺症の有無について考える際には「機能予後」という用語が使われます。たとえば、うつ病は生命予後に直接的な影響を与える危険性を含んでいますが、脳卒中の場合は生命の維持が可能でも、機能の回復に関しては大きな課題が残ることがあります。

生命予後の指標

致死的な疾患の場合、生命予後の指標としてよく利用されるのが生存率です。特に「5年生存率」は、診断から5年後になお生存している患者の割合を示す重要な統計データです。この率は、患者の生存に影響を与えるさまざまな要因を考慮するための一つの基準となります。また、1年生存率や10年生存率といった指標も一般的に使用されます。他にも、平均生存期間（診断から死亡までの平均時間）なども生命予後を評価する際の重要な要素となります。

予後因子

予後を判断する際に考慮される要素は、通常「予後因子」と呼ばれます。この因子には、疾患の種類、症状の重さ、病期、病理所見、患部の位置、遺伝的要因、合併症、年齢など、さまざまな要素が含まれています。これらの因子は互いに関連しており、予後評価を行う上で重要な役割を果たします。

獣医学における予後

「予後」という用語は、人間の医学だけでなく、獣医学においても使用されます。特に競走馬などの動物において、骨折等の理由から「予後不良」との診断が下されることがあります。ただし、競馬界では、この表現が単なる医学用語の枠を超えて特別な意味を持つこともあります。

関連項目

予後は医療の様々な側面で重要な概念であり、関連する用語としてインフォームド・コンセント、予後不良、クオリティ・オブ・ライフ（QOL）などがあります。

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