予感 (フリーダの曲)

『予感』(I Know There's Something Going On): アンニ＝フリッド・リングスタッドのソロ活動における金字塔

1982年、ABBAの活動休止（事実上の解散）後、アンニ＝フリッド・リングスタッドはソロ活動を本格化させました。その象徴的作品が、フリーダ名義で発表された『予感』(I Know There's Something Going On)です。本楽曲は、ABBA時代とは異なる新たな一面を提示し、世界的な成功を収めることとなります。

レコーディングと制作陣

レコーディングは1982年2月、ストックホルムのABBAのスタジオで行われました。ラス・バラード作詞作曲によるこの楽曲は、印象的なベースラインが特徴です。そのベース演奏は、ザ・キュアーのサイモン・ギャラップが担当。さらに、ジェネシスのフィル・コリンズがプロデューサーとして参加し、バックコーラスも務めました。コリンズのプロデュースと洗練されたサウンドが、楽曲に深みと魅力を与えています。

世界的ヒットと商業的成功

『予感』は世界中で大ヒットを記録しました。フランスでは1位を獲得し、ベルリン、スイス、コスタリカなどでもトップ10入りを果たすなど、ヨーロッパ圏で高い人気を博しました。オーストラリアや南アフリカでもトップ10にランクインし、アメリカでも13位まで上昇。イギリスでは最高43位とやや低調だったものの、7週間チャートに留まり、その人気を証明しています。世界350万枚という驚異的なセールスを記録し、ABBAの最終シングルを上回る成功を収めました。

この楽曲が収録されたアルバム『サムシングズ・ゴーイン・オン』は、ABBAメンバーそれぞれのソロ作品の中でも最も売れたアルバムとなり、彼女のソロ活動における成功を決定づけました。

ミュージックビデオとその内容

スチュワート・オルメ監督によるミュージックビデオは、1982年7月上旬にロンドンとイングランド各地で撮影されました。フリーダはビデオの中で、窮地に立たされた若い女性を演じています。その内容は、夫（または恋人）の浮気が、フリーダ自身の写真の現像中に発覚する、というストーリーです。このミュージックビデオは、MTVでも高く評価され、彼女の国際的な知名度向上に貢献しました。

ドキュメンタリーと収録内容

『予感』とアルバム『サムシングズ・ゴーイン・オン』の制作過程を追ったスウェーデンのテレビ番組の映像が、『Frida - The DVD』に収録されています。このドキュメンタリーには、フリーダ自身のインタビューに加え、フィル・コリンズ、ABBAのベニーとビョルン、そしてアルバム制作に関わったミュージシャンたちのインタビューも含まれています。制作の舞台裏や、楽曲誕生秘話などを知ることができる貴重な映像資料となっています。

シングル収録内容

シングル盤にはA面が『予感』(シングル・エディット版)、B面が『Threnody』(アルバムバージョン)が収録されていました。

まとめ

『予感』は、ABBAという大きな成功の後、ソロアーティストとして新たな道を歩み始めたアンニ＝フリッド・リングスタッドの、その才能と魅力を世界に示した、記念碑的作品と言えるでしょう。楽曲のクオリティ、制作陣の豪華さ、そしてミュージックビデオの斬新さ、全てが相まって、彼女のソロキャリアにおける大きな成功を導きました。 この曲は、単なる一曲ではなく、彼女のアーティストとしての転換点、そしてソロ活動の象徴として、音楽史に刻まれています。

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