アンニ＝フリッド・リングスタッド

フリーダ・リングスタッドの生涯

フリーダ・リングスタッド（Frida Lyngstad）、本名アンニ＝フリッド・リングスタッド（Anni-Frid Lyngstad）は、1945年11月15日にノルウェーのヌールラン県に生まれました。彼女はスウェーデンで育つことになり、後に世界的に有名なポップグループABBAのメンバーとして広く知られるようになります。

フリーダの母はノルウェー人のシニ・リングスタッド、父はドイツ国防軍の軍曹アルフレート・ハーゼでした。第二次世界大戦の影響を受けて生まれたフリーダは、戦後間もなく母の祖母に連れられスウェーデンに移住します。母は1958年にスウェーデンに合流しましたが、21歳で病に倒れ、フリーダは祖母の元で育ちました。彼女は父が戦死したと信じられて育ちましたが、実際には彼は生存しており、ABBAが成功を収めた数年後に再会を果たします。

フリーダは若くして音楽に興味を持ち、1958年にはスウェーデンのダンスバンドで活動を始め、1963年には「アンニ＝フリッド4」という自身のバンドを結成しました。彼女のキャリアは、音楽コンテストでの勝利をきっかけに大きく動き出します。1967年にEMIと契約を結んだことで、彼女の音楽キャリアが開花し始めました。

特に1968年、スウェーデンのテレビ番組でアグネッタ・フォルツコグという女性と出会い、彼女とともにABBAを結成する運命が待っていました。やがて、ABBAは1974年のユーロビジョン・ソング・コンテストで「恋のウォータールー」で優勝し、世界的な名声を得ることとなります。

フリーダの私生活も注目を集めました。最初の夫は自身のバンドのメンバーで、17歳で結婚しましたが、結婚生活は長く続きませんでした。彼女はその後、ABBAのメンバーであるベニーと再婚し、一時期の幸せを手に入れましたが、1981年に離婚。この後、1992年にドイツ貴族ロイス家のルッツォ・ロイスと結婚し、プリンセスの称号を手に入れます。

フリーダは音楽活動を続けながらも、プライベートでは悲しい出来事にも見舞われます。1998年には、最初の夫との間に生まれた娘リーゼ＝ロッテが事故で亡くなり、翌年に夫も癌で他界しました。これらの試練にもかかわらず、彼女は音楽への情熱を失わず、2004年には元ディープ・パープルのジョン・ロードとのコラボレーションを行いました。

音楽活動の数々

フリーダはABBAとしてだけでなく、ソロアーティストとしても多くのアルバムをリリースしています。彼女の主なアルバムには、スウェーデン語による「Frida」（1971年）や「Frida ensam」（1975年）、英語での「Something's Going On」（1982年）などがあります。特に「I Know There's Something Going On」は多くの国でヒットを記録し、フリーダの人気を不動のものにしました。

フリーダ・リングスタッドはその独自の魅力と音楽的才能で、世界中の音楽ファンに愛され続けています。彼女の物語は音楽だけでなく、彼女の人生の波乱と幸福の両方に彩られています。

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