事件記録符号

事件記録符号の概要

日本の裁判所において、民事事件と刑事事件を識別するための符号システムがあります。これを「事件記録符号」と呼び、漢字・カタカナ・ひらがなで構成された1文字または2文字の符号を用います。この符号は、事件をより効率的に管理し、追跡するために重要な役割を果たします。

分類方法

事件記録符号は、主に民事事件と刑事事件に分けられます。民事事件にはカタカナ、刑事事件にはひらがなが使用され、これはそれぞれの符号に割り当てられています。具体的には、最高裁判所が定めた「民事事件記録符号規程」や「刑事事件記録符号規程」に基づいて使用されます。

事件番号は3つの部分で構成されています。まずは、裁判所が受理した司法年度（暦年）、次に事件の種類を表す符号、最後に当該年度の事件種類毎に付与される受付順の通し番号です。この3つを組み合わせることで、日本の裁判所で受け付けた事件を一意に特定することが可能になります。

たとえば、「A地方裁判所平成元年（ワ）第123号」という番号は、A地方裁判所が平成元年の新年から受け付けた123番目の民事訴訟第一審を示しています。

主な事件記録符号

民事事件

民事事件に関連する符号は、簡易裁判所、地方裁判所、高等裁判所、そして最高裁判所で異なります。以下のような符号が利用されています：

• - 簡易裁判所:

- （ハ）通常の第1審訴訟事件

• - 地方裁判所:

- （ワ）通常の第1審訴訟事件
- （手ワ）手形訴訟事件・小切手訴訟事件
- （レ）控訴事件

• - 高等裁判所:

- （ネ）控訴事件
- （ツ）上告事件

• - 最高裁判所:

- （オ）上告事件
- （受）上告受理事件

このように、事件の種類や審理の段階に応じた符号が使われ、明確に分類されています。

刑事事件

刑事事件にも同様に、特定の符号が与えられています。具体的には：

• - 簡易裁判所:

- （い）略式命令事件
- （ろ）公判請求事件

• - 地方裁判所:

- （わ）公判請求事件

• - 高等裁判所:

- （う）控訴事件

• - 最高裁判所:

- （あ）上告事件

家庭裁判所の事件

家庭裁判所でも独自の符号が設定されており、以下のような区分が行われています：

• - （家）家事審判事件
• - （家イ）家事調停事件
• - （家ホ）人事訴訟事件
• - （少）少年保護事件

まとめ

事件記録符号は、裁判所が受け取る様々な事件を効率よく整理し、管理するために不可欠なシステムです。それぞれの符号が明確に役割を持っており、法的な手続きの迅速化や透明性を高めることに寄与しています。判例集や関連情報は裁判所の公式ウェブサイトで確認できます。

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