事業内職業訓練

事業内職業訓練：従業員の能力開発を支援する制度

事業内職業訓練は、企業が自社の従業員に対して行う職業訓練のことです。従業員のスキルアップやキャリアアップを支援し、企業の生産性向上や競争力強化に貢献する重要な役割を担っています。かつては「事業内職業訓練」という用語が用いられていましたが、現在の法律上では「事業主等の行う職業訓練」という表現が用いられています。

事業内職業訓練の制度と助成金

事業内職業訓練は、企業が自主的に実施するものであり、その内容は企業のニーズや従業員の状況に合わせて自由に設定できます。ただし、職業能力開発促進法に基づき、一定の要件を満たした訓練については、助成金が支給される制度があります。この助成金制度は、企業の訓練実施を促進し、従業員の能力開発を支援することを目的としています。助成金の申請や支給は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の各都道府県支部職業能力開発促進センターで行われます。

さらに、都道府県知事によって認定された訓練は「認定職業訓練」と呼ばれ、一定の基準を満たしていることが認められています。認定職業訓練は、質の高い訓練であることの証であり、受講者にとっても信頼できる訓練プログラムであると言えるでしょう。

事業内職業訓練の対象と例外

事業内職業訓練は、原則としてあらゆる職業・職種を対象としています。しかし、職業能力開発促進法には例外規定があり、船員や船員を目指している者を対象とした訓練は、この制度の対象外となる場合があります。具体的には、法令で定められた特定の訓練が該当します。

事業内職業訓練の手法

事業内職業訓練には様々な手法があります。代表的なものとしては、以下のものが挙げられます。

OFF-JT（オフ・ザ・ジョブ・トレーニング）: 職場を離れて行われる訓練。講習会や研修などが該当します。外部機関での研修や社内研修室での座学などが含まれます。
企業内教育: 企業が独自に開発した教育プログラムを用いた訓練。企業の特性やニーズに合わせた内容にすることができます。
OJT（オン・ザ・ジョブ・トレーニング）: 職場において、先輩社員などから直接指導を受ける訓練。実践的なスキルを習得するのに効果的です。
TWI研修: 訓練 within industry の略で、戦後アメリカで開発された、職場における人材育成プログラム。指導者育成、作業改善、安全衛生などのテーマを扱います。
* コーチング: 個別指導による能力開発。従業員一人ひとりの特性や目標に合わせた指導を行うことができます。

これらの手法は、単独で実施されることもあれば、複数の手法を組み合わせて実施されることもあります。企業は、それぞれの従業員や訓練の目的に最適な手法を選択する必要があります。

関連機関

事業内職業訓練に関する情報は、厚生労働省のウェブサイトなどで入手できます。同省は、職業能力開発促進法に基づき、事業内職業訓練を含む職業訓練全般に関する施策を推進しています。

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