二人の可愛い逃亡者 (Escapade in Japan)
『二人の可愛い逃亡者』は、1957年にアメリカで制作されたファミリー向けの
冒険映画です。監督はアーサー・ルービンが担当し、主演には
テレサ・ライト、キャメロン・ミッチェル、ジョン・プロボスト、ロジャー・ナカガワなどの俳優が名を連ねています。この作品は、日本を舞台にしたユニークなストーリーとして、多くの観客の心を掴みました。
あらすじ
物語は、アメリカの
東京駐在大使館で働く両親の元へ向かうため、
マニラから旅立つ少年トニー・ソーンダースが主人公です。しかし、移動中に不運にも飛行機が墜落し、彼は海に不時着することになります。幸運にも日本人の漁師一家によって救助されたトニーは、彼の意図とは異なり、新たな冒険に乗り出すことになります。
漁師一家の息子、田中朝彦は、トニーと共に逃げる決意を固めます。彼は自分たちが何か悪いことをしたのではないかと不安になりますが、トニーと彼の家族を再会させるための逃亡を決意します。二人は京都に到着し、そこで様々な面白い人たちに出会いながら、一連の新しい冒険を経験します。警察の捜索を巧みにかわしつつ、最終的には奈良へとたどり着く彼らの姿は、友情を深め、成長を促す重要なポイントです。
キャスト
- - トニー・ソーンダース(ジョン・プロボスト): 主人公の少年
- - メアリ・ソーンダース(テレサ・ライト): トニーの母親
- - ディック・ソーンダース(キャメロン・ミッチェル): トニーの父親
- - 田中朝彦(ロジャー・ナカガワ): 漁師一家の息子でトニーの友人
- - 田中計(藤田進): 朝彦の父親
- - 田中町子(三宅邦子): 朝彦の母親
- - ハーゲーブ大佐(フィリップ・オーバー): 他にも、多くの俳優が脇を固めています。
この
映画には後の大スター、クリント・イーストウッドが捜索機のパイロット役として登場しますが、クレジットには名が載っていません。当時の彼はまだ知名度が低かったものの、後にはハリウッドの名優として広く名を知られることになります。
日本での制作
この作品は戦後、日本に存在した「蓄積円」を利用して製作されました。この「蓄積円」は、
外国為替の制限によって制約された資金で、他のいくつかのアメリカ
映画の撮影にも利用されました。当時の作品はしばしば異文化への偏見が見受けられましたが、本作ではそれが改善されています。
さらに、
ロケーション撮影は日本各地で行われ、東北の漁港や京都の
清水寺、奈良の
法隆寺など、華やかな背景が作品を引き立てています。スタジオ撮影は大映
東京撮影所で行われ、
映画全体に対する丁寧な制作が伺えます。
『二人の可愛い逃亡者』は、冒険を通して友情や家族の大切さを伝え、観客に感動を与える作品であります。