二子塚古墳 (大阪府太子町)

二子塚古墳について

二子塚古墳（ふたごづかこふん）は、大阪府南河内郡太子町の山田に位置する古墳です。この古墳は双方墳という独特の形状を有し、磯長谷古墳群の一部を形成しています。また、1956年には国の史跡として認定されています。

概要

この古墳は、大阪府の南東部に位置する二上山の山麓に築造されています。金剛山地から延びる台地状丘陵の上に立地しており、古代において重要な葬墓として機能していたことが伺われます。過去に盗掘の被害にも遭い、墳丘の中央部分が大きく削られていますが、最近では2016年度以降に本格的な発掘調査が行われています。古墳の形は双方墳で、北東から南西へ向かって並列に2基の方墳が接続しています。ひとつの方墳の一辺は約25メートルで、全体の長さは約66メートルです。

墳丘は三段に築かれています。外表には葺石や埴輪は見られませんが、敷石が存在し、周囲には周溝が掘られています。埋葬施設は2つの横穴式石室から成り、それぞれ同じ形状と大きさで設計されています。石室は南西の方角に開口しており、内壁には漆喰が塗り込められています。石室内部には家形石棺がそれぞれ1基ずつ安置されていますが、遺物の多くは破損しており、出土物としては羽釜形土器や小皿形土器、鉄釘などがあります。

建設時期と歴史的背景

この古墳は築造時期として7世紀中頃から後半にかけての古墳時代終末期に属すると考えられています。双方墳という形式は、合葬が一般化する風習を反映していると推測されています。埋葬者は明らかではありませんが、一説には推古天皇や竹田皇子の合葬墓とも言われています。これに対し、近くにある山田高塚古墳も同様の天皇陵の可能性を秘めており、考古学的な詳細が今後の研究によって明らかにされることが期待されています。

遺跡に関する歴史

この古墳の存在は江戸時代の資料にも記録されており、1915年には石室と石棺が発見されましたが、その時点で既に大きな盗掘の痕跡がありました。戦後には墳丘の調査が行われ、1956年には国の史跡に指定され、2019年には史跡範囲の追加指定を受けています。

墳丘の特徴

墳丘の詳細は以下のようになります:

• - 墳丘長: 東西約66メートル、南北約26メートル
• - 東墳丘: 一辺約25メートル、高さ約4.8メートル
• - 西墳丘: 一辺約25メートル、高さ約6メートル

この古墳の墳丘は全体として三段に築かれた構造を持ち、終末期の特徴的な形状を示しています。また、墳丘間には中央に高まりが認められ、設計の意図を理解するための重要な要素となっています。

埋葬施設と石室

埋葬施設としては、各墳丘に一つずつ横穴式石室が存在しています。石室はそれぞれ以下のようなサイズを持っています。

• - 東墳丘石室:

- 玄室: 長さ4.95メートル、高さ1.65メートル、幅1.7メートル
- 羨道: 長さ0.5メートル、高さ1.65メートル、幅1.4メートル

• - 西墳丘石室:

- 玄室: 長さ4.4メートル、高さ1.65メートル、幅1.55メートル
- 羨道: 長さ1.5メートル、高さ1.65メートル、幅1.3メートル

このように、二子塚古墳は独自の構造と歴史的背景を持つ貴重な遺跡として、これからも研究が進められていくことでしょう。

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