二座席レーシングカー

二座席レーシングカーについて

二座席レーシングカー、または「ツーシーターレーシングカー」として知られるこの自動車は、1966年から1981年にかけて国際自動車連盟（FIA）が認めた特定のタイプの競技車両です。このカテゴリーは、レーシングカーとスポーツカーの特性を兼ね備えており、並行して設置された2つの座席と全てのホイールがボディのフェンダーによって覆われている点が特徴です。公道走行は目的としておらず、全てが競技専用に設計されています。これにより、市販車とは一線を画した性能を持つ、真の競技用車両として位置づけられました。

歴史の背景

この二座席レーシングカーのカテゴリーは、1966年にアメリカ・スポーツカークラブ（SCCA）が開始した競技規定から形成されました。それまでの国際スポーツ法典は改訂され、特にSCCAの合衆国ロードレース選手権の最上位クラスとして、独自の基準で格付けされました。この新たなカテゴリーでは、スポーツカーの定義が再定義され、最低重量や燃料タンクの最大容量、ラゲッジ空間の要件が撤廃されました。

この変更により、二座席レーシングカーはフォーミュラ・レーシングカーと同様に、路面整備されたサーキット専用の純粋な競技車両として運用されることになったのです。この新しい枠組みの中で、夜間灯火についても昼間レースでは自由化され、さらなる技術革新が求められました。

主な特性

二座席レーシングカーは、助手席を備え、上から見るとホイールがボディに完全に隠れるデザインを持っています。天蓋については特定の制限はなく、過去にはクーペスタイルの車両も存在しましたが、1975年以前には例がほとんどありませんでした。また、技術ルールは比較的緩く、多くのレースシリーズではエンジン排気量に制限が設けられていませんでした。これにより、国内外の自動車メーカーが参加しやすくなる環境が整いました。

競技シリーズでの活躍

二座席レーシングカーは、カナディアンアメリカン・チャレンジカップや日本の富士グランチャンピオンシリーズなど、数多くのレースシリーズで活躍しました。1966年から1974年までのカンナムシリーズでは、最上位クラスとして位置づけられ、多くのドライバーに支持されていました。日本においても、1968年と1969年の日本グランプリでは活躍し、1971年から始まった富士グランチャンピオン系列でも広く走行されており、その人気は衰えることがありませんでした。

特に、1976年から1981年までの期間には、ポルシェ936やアルファロメオ33SC12、アルピーヌルノーA442など、名だたる車両がこのカテゴリーでの競技に参加しました。これらの車両は優れたデザインと技術を誇り、ドライバーの才能を引き立てるものでした。

終焉と新たな時代

1982年に新たに設けられたグループCが導入された後も、二座席レーシングカーはグループEに分類され、一部の大会に参加することができましたが、次第にグループCの影響を受けるようになりました。この新規定のもとでは、二座席レーシングカーの存在意義が薄れ、より特殊化した競技車両が主流となっていきました。

最後に、この期間に送り出された数多くの素晴らしいマシンは、今日の自動車技術の基礎を築く役割を果たしており、その名残は今でも多くのレースファンや自動車愛好家に愛されています。

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