二式二十粍固定機関砲

二式二十粍固定機関砲（ホ5/ホ五）

概要

二式二十粍固定機関砲（ホ5/ホ五）は、第二次世界大戦において大日本帝国陸軍が採用した航空機関砲です。この機関砲は、主に一式戦闘機「隼」をはじめとする多くの陸軍航空機に装備され、太平洋戦争での主力航空機関砲の役割を果たしました。その基本構造は、口径12.7mmのホ103一式十二・七粍固定機関砲を基に、機関部を改良して口径20mmの弾薬（20x94mm弾）に対応するよう大型化したものです。

ホ5は、軽量な弾薬を使用するホ103の特性を引き継ぎ、同じく口径20mmながら軽量で威力を確保しており、その発射速度は米軍の同等の機関銃を上回る性能を有していました。射撃試験では、装甲を貫通する性能も確認されており、十分な攻撃力を持っていました。用意された弾薬には、二式曳光徹甲弾、二式曳光榴弾、二式焼夷榴弾、特殊焼夷榴弾などがあります。

実戦

二式二十粍固定機関砲は、まず二式複座戦闘機「屠龍」丁型に搭載され、続いて三式戦闘機「飛燕」といった単座単発型機にも装備されました。この機関砲は、戦局が厳しくなる中、大東亜決戦機として評価される四式戦闘機「疾風」や五式戦闘機においても大きな役割を担いました。特に疾風は、その設計においてホ5を2門搭載し、戦局における防空任務に従事しました。

また、いくつかの偵察機や重爆撃機にも搭載されることがあり、戦闘機の中でも広く使用されました。四式戦の中でも疾風は特に多く生産され、日本海軍機の中でも第3位の生産数を誇っていました。

さらに、他にも多くの試作機が開発され、搭載される予定でしたが、その多くは実戦に投入されることなく終わりました。

現存砲

日本国内でもこの砲は現存しています。特に2005年に大阪府交野市で発見された砲は、特に状態が良好で、多くの歴史的遺物と共に展示されています。この砲は、1945年の空戦において撃墜された三式戦「飛燕」に搭載されていたものであり、発見後は専門家によって詳細な調査が行われています。

日本国外にも、二式二十粍固定機関砲は複数の現存例があると言われています。この機関砲は、その性能と戦歴から、第二次世界大戦の歴史において重要な位置を占めていると言えるでしょう。

参考資料

• - 橋立伝蔵監修『日本陸軍機キ番号カタログ』文林堂、1997年。

関連項目

• - 大日本帝国陸軍兵器一覧

以上が二式二十粍固定機関砲の概要と実績に関する説明です。この機関砲の特徴と戦闘における役割を理解することは、当時の航空戦のダイナミクスを知る上で非常に重要です。

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