二枚橋衛生組合

二枚橋衛生組合とは

二枚橋衛生組合は、かつて東京都調布市、府中市、小金井市の3市が共同で運営していた一部事務組合です。1957年2月に設立され、3市から排出される可燃ごみの焼却処理を主な目的としていました。組合は、調布市野水に位置する「二枚橋焼却場」を運営していましたが、2010年3月に解散しました。

二枚橋焼却場の歴史

二枚橋焼却場は、長年にわたり3市の可燃ごみを処理していましたが、施設の老朽化が進み、1984年に建て替えが検討されました。しかし、焼却容量の不足や周辺住民からの反対運動により、建て替え計画は頓挫しました。東京都の移設調停案も小金井市側の反対により合意に至らず、2004年には建て替え計画を断念し、焼却場を廃止して土地を各市に返却することが決定しました。

2007年3月31日に焼却場の稼働を停止し、残務処理を経て2010年3月に組合は解散しました。

二枚橋焼却場跡地のその後

焼却場跡地は、都立野川公園や武蔵野公園に隣接する場所に位置しており、解体後、2009年4月には私立保育園「やまびこ保育園」が開園しました。また、調布市が所有する跡地には、2018年12月に「調布市クリーンセンター」が竣工し、深大寺東町から移転したクリーンセンターとして2019年4月より本格稼働を開始しました。この施設では、粗大ごみ処理やリサイクル資源の収集・選別が行われています。

組合解散後の各市の対応

二枚橋衛生組合の解散後、各市はそれぞれ異なる方法でごみ処理を行うことになりました。

調布市: 三鷹市との一部事務組合「ふじみ衛生組合」に加入し、可燃ごみの共同処理を行っています。また、二枚橋焼却場跡地には、調布市クリーンセンターを建設しました。
府中市: 多摩川衛生組合に加入し、他の市と共同でごみ処理を行っています。
* 小金井市: 当初は新たな焼却場建設を計画していましたが、市民の反対で頓挫。その後、日野市、国分寺市と「浅川清流環境組合」を設立し、2020年より共同で可燃ごみ処理を開始しました。ただし、国分寺市は単独で清掃センターも運営しており、小金井市のごみも受け入れています。

小金井市ごみ問題

小金井市は、当初ジャノメミシン小金井工場跡地に焼却場建設を計画しましたが、市民の反対により断念しました。その後、二枚橋焼却場跡地での建設を計画しましたが、調布市と府中市から反対され、用地買収を断念。このごみ問題は「第2の東京ゴミ戦争」とも呼ばれました。小金井市は一時的に周辺自治体にごみ処理を委託していましたが、2015年に浅川清流環境組合を設立するに至りました。

各市の現在のごみ処理状況

調布市

調布市は、ふじみ衛生組合を通じて、三鷹市と共同でごみ処理を行っています。この組合は、もともとし尿処理場の共同化を目的として設立されましたが、後にごみ処理も行うようになりました。現在、調布市は、二枚橋焼却場跡地に建設された調布市クリーンセンターでごみ処理を行っています。

府中市

府中市は、多摩川衛生組合に加入しており、狛江市、稲城市、国立市と共同でごみ処理を行っています。多摩川沿いにあるクリーンセンター多摩川でごみ処理を行っています。

小金井市

小金井市は、日野市、国分寺市と浅川清流環境組合を設立し、共同でごみ処理を行っています。日野市クリーンセンター内に共同処理施設を建設し、2020年から稼働しています。また、国分寺市は単独で国分寺市清掃センターも運営しており、小金井市のごみも受け入れています。

まとめ

二枚橋衛生組合は、3市のごみ処理を担っていましたが、施設の老朽化や住民の反対運動により解散しました。しかし、その後の各市の努力により、新たなごみ処理体制が構築され、現在も安定したごみ処理が行われています。特に小金井市のごみ問題は、多くの議論を呼びましたが、最終的には近隣自治体との協力により解決されました。

もう一度検索